[米大統領専用機上 29日 ロイター] - トランプ米大統領は29日、米国が世界貿易機関(WTO)に不当な扱いを受けてきたとしつつも、現時点でWTO脱退は検討していないと語った。また、欧州連合(EU)などからの輸入車に対する追加関税に関する政府の調査が3─4週間以内に完了する見通しと語った。
来月16日ヘルシンキで開催予定の米ロ首脳会談では、シリアやウクライナ情勢について協議するほか、ロシアの2016年米大統領選介入疑惑も取り上げるとの意向を示した。
また、退任するケネディ米連邦最高裁判事の後任を、7月9日に指名する見通しとし、現時点で女性2人を含む5人が最終候補に残っていることを明らかにした。
<WTO脱退報道、財務長官も否定>
ニュースサイト「アクシオス」は同日、関係筋の話として、トランプ大統領がWTOから脱退したいとの考えを繰り返し政権当局者に述べていたと報じた。
報道によると、協議に関わった人物は、トランプ大統領が顧問らに「なぜわれわれが加盟しているのか分からない。WTOは他の国々が米国をだますように意図されている」と何度も話したと明かした。
WTOからの脱退には議会承認が必要となり、トランプ氏は議会の説得には後ろ向きだという。
アクシオスは「事情に詳しい関係筋によると、トランプ政権はWTOの枠組みの中で米国が不公正や不均衡に直面していると考えるさまざまな点を引き続き訴える方針だ」としている。
この報道について、ムニューシン財務長官は、誤りだと指摘。フォックス・ビジネス・ネットワークに対し「フェイク(偽)ニュース」だと述べた。「大統領はWTOに懸念を抱いており、公正でない側面があると考え、中国や他国が自国ためにそれを利用してきたと、誰に対しても明確にしてきた」と長官は指摘。また、米国が自由貿易に注力しており、障壁をなくすことに力を入れていると主張した。
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