[ワシントン/メキシコ市 17日 ロイター] - 米通商代表部(USTR)のタイ代表は17日、カナダのエング貿易相とオンラインで会談し、乳製品や電子商取引を巡り米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)順守の必要性を強調した。
タイ代表側が発表した。
USMCAは18日に初の公式なオンライン会合を開催する。
タイ代表は、カナダが計画するデジタルサービス税にも懸念を表明した。デジタル税については国際的な議論が進められているが、米国は導入6カ国に追加関税などの制裁措置を発動する構えを見せている。
カナダの発表によると、エング貿易相は米国の通商政策に対する懸念を表明したが、USMCAのサプライチェーンの強化、新型コロナウイルス後の景気回復に対する協力、USMCAに盛り込まれた労働者権利保護の必要性で一致した。
カナダは、米政府調達における「バイ・アメリカ」規制、カナダ産材木に対する関税を巡る対立などを懸念。米国では、住宅建設業者や議員から、供給不足を解消するためカナダ産材木に対する課税撤廃の声が挙がっている。
メキシコのクルティエル経済相もタイ代表、エング貿易相とそれぞれオンラインで会談した。
メキシコ経済省によると、クルティエル経済相とタイ代表は、自動車部門の原産地規則、メキシコの労働改革、環境問題における協力、米国が進めるメキシコ産農産物に関する調査について協議した。
USTRの発表によると、農業問題を巡る協議は、規制やメキシコのバイオテクノロジー製品などにも及んだ。貿易促進やメキシコの労働改革における労働者の権利保護も取り上げられた。
また、カナダの発表によると、エング貿易相は会談で、自動車部門の原産地規則などの貿易や投資問題についてメキシコと協力する姿勢を強調した。さらに、メキシコの労働改革実現に向けた取り組みを支援すると表明した。
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