[23日 ロイター] - 米トランプ政権による中国製品への輸入関税引き上げを受け、多くの米消費関連企業が業績に悪影響が及ぶとの懸念を示した。米政府は先週、中国からの輸入品2000億ドル相当に対する関税率を10%から25%に引き上げた。
トランプ大統領は、加えて3000億ドル相当の製品についても追加関税をちらつかせており、発動すれば中国から米国への輸入品ほぼ全てが対象となる。
各社のコメントをまとめた。
●家電量販ベスト・バイBBY.N
ハバート・ジョリー最高経営責任者(CEO)は「25%の関税により価格が上昇し、米消費者に影響が及ぶだろう」と述べた。
●ホームセンターのホーム・デポHD.N
同社は2018年に関税により10億ドルの影響を受けているが、足元で発表された追加関税で製品の年間コストがさらに10億ドル増える見通し。
エドワード・デッカー執行バイスプレジデントは、新たな関税の影響は総売上高の1%に満たないため、対処可能との見方を示した。
●百貨店のJCペニーJCP.N
ジル・ソルタウCEOは、全輸入品を対象とする追加関税が発動すれば「より有意な影響」を受けるとの見通しを示した。
●百貨店のコールズKSS.N
主に関税の影響を受けるのは中国から輸入している商品やアクセサリーの事業で、衣料と靴は今のところ影響を受けていない。中国由来の商品は全体の20%程度。
●小売店のウォルマートWMT.N
ブレット・ビッグスCEOは先週ロイターのインタビューで、「関税引き上げにより顧客向けの価格が上昇するだろう」とした上で、顧客への影響を最小限にとどめるよう努力すると述べた。
●百貨店のメーシーズM.N
ジェフリー・ジェネットCEOは22日の投資家向け電話会議で、10日に発動された追加関税は「特に家具事業にある程度影響」すると説明。ただ、その影響を和らげることが可能と考えていると述べた。
●衣料小売りのラルフ・ローレンRL.N
ジェーン・ニールセン最高財務責任者(CFO)は先週の投資家向け電話会議で「現在までに発動した関税による影響は限られている」と説明。ただ、複数のシナリオを想定し、長期的な影響を和らげるためサプライチェーンの多様化を進めているとした。
●食品のデルモンテ・フーズ
グレッグ・ロングストリートCEOは先週ロイターに対し「関税だけの問題ではない。輸送コストも労働コストも上がっている。インフレ的な環境であり、多くの物で価格に転嫁せざるを得なくなるだろう」と述べた。
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