[ワシントン 18日 ロイター] - トランプ米政権は18日、正式に北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉に向けた手続きを開始した。
米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表が書簡で議会に通知。議会との90日の協議期間を経て、8月16日以降に交渉が始まる見通し。
ライトハイザー代表は記者団に対し、NAFTAは米国の農業、投資サービス、エネルギー業界には成功だが、製造業にとってはそうではないと指摘。「交渉の出発点として、NAFTAで機能している部分は基盤とし、機能していない部分については変更、改善する」と述べた。年内の交渉完了を目指すとしている。
代表はまた、議会指導部に宛てた書簡で、デジタル貿易、知的財産権、労働・環境基準、国有企業に関する規定、食品安全基準について、NAFTAの近代化が必要との考えを示した。
メキシコのビデガライ外相はティラーソン国務長官との共同記者会見で、締結から25年近く経つ協定を更新する必要があるとの考えを示した。
カナダのフリーランド外相は、北米地域の自由貿易に忠実にコミットしていると述べ、900万の米雇用がカナダとの通商や投資に依存していると指摘した。
ライトハイザー代表は、現在の3カ国のNAFTAの枠組み維持を望んでいるが、NAFTAにおける多くの問題は、メキシコ、もしくはカナダそれぞれとの解決が必要な2国間問題だと説明した。
カナダ産針葉樹材やメキシコ産砂糖の輸入を巡る問題について質問されると、NAFTAの交渉開始前にこれらの問題が米商務省との交渉を通じて解決することを望んでいると述べた。
また、今後意見公募を行い、7月16日をめどに交渉の基本方針をまとめる考えを示した。
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