[ワシントン 8日 ロイター] - 米財務省は8日公表した報告書で金融機関に対してクラウドコンピューティングサービスを利用する際に起こりうる課題への対処を促し、対処できなければ金融機関とその顧客を脆弱な状態にさらす恐れがあると警告した。特に中小金融機関で深刻な状況だと指摘した。
アディエモ財務次官は「消費者に対する安全で信頼できる金融サービスの提供が、クラウドベース技術の需要向上を意味することは間違いない」としつつ、銀行などの金融機関がクラウドサービスを採用する際には「安全で効果的な移行」が必要だと訴えた。
報告書は「クラウドサービスが金融機関の弾力性と安全性を高めるのに役立つことが分かったが、こうした利点を損なう恐れのある重大な課題もある」と指摘。
課題として金融機関が潜在的なサイバー関連の脅威にさらされていることや、業界全体が少数のクラウドサービス提供企業に依存していること、金融機関のクラウドサービス導入を支援できる技術者が不足していることなどを挙げた。
財務省は報告書で指摘した課題に取り組むワーキンググループを設立し、米金融規制当局や金融業界、外国の連携先と協力してリスクに対処すると説明している。
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