[ワシントン 19日 ロイター] - イエレン米財務長官は19日、昨年の「米国救済計画」の下で創設された3500億ドル規模の州政府・地方自治体向け新型コロナウイルス関連支援基金が、各都市の危機対応強化につながったとの認識を示した。全米市長会の会合で述べた。
同氏は、州政府や地方自治体はこの基金を創造的に活用し、さまざまな時期の異なるニーズに対応してきたと指摘。基金により、各都市はオミクロン変異株が広がり始めた際により迅速に対応する態勢が整っていたとし、こうした対応が感染力の高いオミクロン株の影響を緩和することに寄与したと評価した。
その上で、「オミクロン株への対処は困難で、今後数カ月間は経済指標に影響を与える可能性がある。ただ、これで100年に一度の力強い経済成長が妨げられることはないと確信している」と述べた。
また「特定の方法でしか使えない一回限りの資金ではなく、持続的な資金が必要であり、可能な限り柔軟に基金を活用できるよう財務省のチームは努力してきた」と語った。
基金の活用例として、オハイオ州コロンバスで保育所の新任教師に1000ドルの契約一時金が支給されたことや、ハワイ州では州職員1万人の一時解雇決定が撤回されたことを挙げた。
バイデン政権の気候変動・社会保障関連歳出法案「ビルド・バック・ベター(よりよき再建)」については、議会での交渉が難航しているものの、楽観的な見方を示した。
「この法案が最終的にどのような形になるかは分からないが、米国の子どもたちの育成や気候変動への投資、企業の公正な負担を確実にするための国際課税ルール見直しの在り方に革命をもたらすだろう」と述べた。
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