March 23, 2018 / 5:06 AM / 6 months ago

焦点:超タカ派の新補佐官ボルトン氏、「降伏は選択肢になし」

[ワシントン 22日 ロイター] - マクマスター米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)を解任し、ジョン・ボルトン氏を後任に充てるトランプ大統領の決断は、自身の側近グループにおける歯止め役を、献身的なタカ派が取って代わることを意味する。

ボルトン氏はイランや北朝鮮に対する軍事力行使を支持したタカ派で、ロシアに対しても強硬路線を主張。トランプ氏にとってはこの1年2カ月で3人目の国家安全保障問題担当補佐官となる。

69歳のボルトン氏がジョージ・W・ブッシュ政権時代に国務次官(軍備管理担当)を務めた際には、2003年のイラク侵攻を主唱。ここ数年は保守派の論客として北朝鮮の核問題に対して強硬姿勢をとるよう主張しているほか、15年のイラン核合意の破棄も訴えている。

ボルトン氏はワシントンでは乱暴な人物として知られ、官僚時代は内部闘争を繰り広げた。ジョージ・W・ブッシュ政権時代、国務省の彼の机の上には、信管を外した手投げ弾が置かれていた。

2007年に出版した回顧録のタイトルは、「Surrender Is Not An Option(降伏は選択肢にあらず)」。最も好む批判対象には、イランや北朝鮮、国連や欧州の各国政府、国際条約などが含まれる。

2003年、北朝鮮の核問題を巡る6カ国協議開催を控え、ソウルで行った演説でボルトン氏は、北朝鮮の金正日総書記(当時)を「圧政的な独裁者」と批判。北朝鮮側は、ボルトン氏のことを「人間のクズ」と呼んで反発した。

トランプ大統領と同じく、ボルトン氏はベトナム戦争には従軍せず、代わりに州兵に参加した。

ときに無遠慮な同氏の振る舞いは、ブッシュ政権時代にも問題を起こした。なかでも、キューバが高度な化学・生物兵器を持つ可能性を巡り疑問を呈した情報アナリストを怒鳴りつけた事件は、その後もボルトン氏についてまわることになった。

2005年、ボルトン氏の国連大使指名を巡り米議会で開かれた公聴会では、証言に立った国務省の情報責任者カール・フォード氏が、「常習的な虐待者」で「上役におべっかを使い、部下を踏みつける典型的な類の男だ」とこき下ろした。

米上院はボルトンの指名を承認せず、当時のブッシュ大統領は、議会の休会中に指名を行い、一時的に議会承認を回避する方法を使って、ボルトン氏を17カ月間国連大使として登用した。

今回、大統領補佐官への登用が発表された22日夜、フォックスニュースのインタビューに登場したボルトン氏は、普段の強硬姿勢を和らげた様子だった。

「率直に言って、私のプライベートでの発言は、すでに過去のものだ。少なくとも、4月9日以降はそうなる」と、ボルトン氏は述べた。同氏は4月9日に正式に就任する。

<目が回るほどの課題の山>

国家安全保障問題担当の大統領補佐官ポストは、議会承認は必要ない。補佐官として、ボルトン氏は数百人いるホワイトハウスの国家安全保障担当の専門家を監督することになる。これら専門家の多くは、国防総省や国務省、米情報機関から集められている。

過激組織「イスラム国(IS)」や国際武装組織アルカイダの掃討から、中国の軍事・経済力強化まで、目が回るほど多くの課題についてトランプ大統領に助言を行うのが彼の責務だ。

ソウルでは、保守議員Kim Hack-yong氏が、米朝首脳会談を控えたこの時期に、ボルトン氏が指名されたことに懸念を表明した。

「心配なニュースだ。北朝鮮と米国は対話する必要があるが、(ボルトン氏就任で)会談が本当に実現するのか懸念が増す一方だ」と同議員は危惧した。「ボルトン氏が就任し、北朝鮮との対話がひっくり返って悪い結果を招いたら、どうしたらよいか分からない」

ホワイトハウスにイラン政策について助言する米シンクタンク「民主主義防衛基金」のマーク・デュボビッツ会長は、もし英仏独の3国が、5月中旬までにトランプ氏の要求に合致するイラン核開発を巡る新たな制限をまとめられない場合、ボルトン氏はイラン核合意の破棄を支持するだろうと予想する。

「イラン核合意を巡り、私が長い間推奨してきた修正案は、たったいま非業の死を遂げたかもしれない」と、デュボビッツ氏は言う。同氏は、イラン合意の「致命的な欠陥」を修正して合意維持することを主張していた。

ボルトン氏はこれまで、イスラエルの米大使館をエルサレムに移転するトランプ氏の計画を称賛し、キューバにあるグアンタナモ基地の収容施設の維持を主張。中国政府が自国の一部とみなす台湾に対する支援強化によって、中国への圧力を高めるよう提案している。

ツイッターの内容から判断する限り、ボルトン氏は、ロシアに対しては新しい上司となるトランプ大統領よりも「タカ派」なようだ。

2016年の米大統領選でトランプ陣営がロシア政府と癒着した疑惑を一蹴する一方で、ロシアによる同選挙への介入疑惑については声高に批判している。

ロシアのプーチン大統領が新たな核兵器を1日発表した際、ボルト氏はトレードマークになっている好戦的な表現で反発した。

「ロシアの新しい核ミサイルには戦略的に対応し、ロシアのいいようにはさせないということを、欧州の同盟国に示さなくてはならない」

(翻訳:山口香子、編集:下郡美紀)

3月22日、マクマスター米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)を解任し、ジョン・ボルトン氏(写真)を後任に充てるトランプ大統領の決断は、自身の側近グループにおける歯止め役を、献身的なタカ派が取って代わることを意味する。米メリーランド州オクソンヒルで2017年2月撮影(2018年 ロイター/Joshua Roberts)

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