February 13, 2019 / 9:39 AM / in 2 months

コラム:トランプ政権のAI推進戦略に足りない「知能」

[ニューヨーク/ワシントン 11日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 米政府が人工知能(AI)を推進することは合理的だが、もう少し「知恵」を使った方がいいのではないか。

2月11日、米政府が人工知能(AI)を推進することは合理的だが、もう少し「知恵」を使った方がいいのではないか。テキサス州エルパソでの集会で演説するトランプ米大統領(2019年 ロイター/Leah Millis)

トランプ米大統領は11日、AI研究を最優先に位置付ける大統領令に署名したが、新たな予算は付けなかった。これは、一部の懸案事項に対する現政権の姿勢を踏襲しているが、他の懸案事項に対する姿勢からは驚くほどかけ離れたものだ。

AIに改めて取り組む理由の中でも大きいのが、中国の存在だ。米政府は、テクノロジー部門での中国の野望を懸念している。現在行われている通商協議で、中国側に知的財産窃盗問題への対応を求めているのも、米企業が競争力を失わないようにするためだ。

商務省は昨年11月、AIも含む特定の技術の輸出を減らす提案について、パブリックコメントを募集した。輸出が削減されれば、米企業による一部製品の中国を含めた海外輸出が制限される。

AIを国家安全保障上の優先事項に位置付けることは、有益かもしれない。新たな予算が全く組まれなかったとしても、省庁はスマートシステムの開発により多くの予算を割り振るようになるだろう。それは、研究資金を探している研究者や、売り込み先を探している企業の「保険」となるだろう。

技術移転の制限も、米国の優位維持に役立つかもしれない。産業スパイは新しい現象ではない。1700年代に米ニューイングランド地域の繊維産業を発展させたのは、盗用された英国のノウハウだった。だが中国の攻撃性は突出している。

それでも、トランプ氏は時流に逆らおうとしている。

世界の仕組みを解明し、医学や新素材やエネルギーに大きな進歩をもたらすこともある基礎研究は、政府の予算次第であることが多い。米科学振興協会によると、連邦予算全体に占める調査研究関連予算の割合は、この60年で低下している。企業の調査研究支出はこの間増加しているが、民間セクターは、成果が出たとしても数十年後になる可能性がある研究にはそれほど熱心ではない。

移民の促進も有効だろう。米政策基金によると、2000─2017年にノーベル化学賞、医学・生理学賞、物理学賞を受賞した米国人の4割近くが移民だった。外国生まれの人の割合は、米人口の15%未満だ。

米政権が本当にAIに真剣に取り組むのならば、基礎研究のための新たな予算を組み、海外からのスキル流入を促すことが、より賢明な道だろう。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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