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焦点:トランプ、プーチン両氏の「ブロマンス」にすきま風
2017年3月11日 / 11:35 / 8ヶ月前

焦点:トランプ、プーチン両氏の「ブロマンス」にすきま風

[ワシントン 2日 ロイター] - 昨年の米大統領選挙におけるロシア介入疑惑を巡る調査で自身の政権が守勢に立たされるなか、トランプ大統領はクレムリンの主、プーチン大統領を称賛するツイート投稿をやめてしまった。

 3月2日、昨年の米大統領選挙におけるロシア介入疑惑を巡る調査で自身の政権が守勢に立たされるなか、トランプ大統領はクレムリンの主、プーチン大統領(写真)を称賛するツイート投稿をやめてしまった。1月モスクワで代表撮影(2017年 ロイター)

トランプ、プーチン両氏の関係はまるで「ブロマンス(男の絆)」だと大統領選挙期間中には話題になったものだが、米当局者によれば、トランプ大統領の就任からそれほど経たないうちに、両国政府の「雪どけ」の可能性はかなり薄れつつあるようだ。

外交分野を担当する大統領顧問らのロシアに対する論調は厳しくなりつつある。国家安全保障担当の補佐官には、当初ロシア政府との関係改善を声高に主張していたマイケル・フリン氏が就任したが、同氏が先月辞任した後、トランプ氏の対ロ姿勢も冷え切っているように見える。

フリン氏の後任となったマクマスター陸軍中将はロシアに対してより強硬な態度を示しており、海兵隊出身のマティス国防長官と歩調を合わせている。

ロシアに対する姿勢硬化を示す兆候として2人の米当局者が挙げたのは、国家安全保障会議のロシア担当首席顧問として、プーチン批判派として知られるロシア学者フィオナ・ヒル氏が就任要請されたことだ。

ヒル氏には、KGB出身というプーチン氏の経歴を連想させる『プーチンの世界「皇帝」になった工作員』という共著もある。彼女がこの要請を受諾したかどうかは、ただちには明らかにされなかった。

選挙期間中にトランプ氏が見せたプーチン大統領への歩み寄りを以前から懸念していた共和党議員からも、米政権に対する圧力は高まっている。クリミア編入やウクライナにおける親ロシア反体制派への支援に対して科されている対ロシア制裁をトランプ氏が早々に緩和するのではないかと危惧する欧州同盟国からの圧力も同様だ。

ロシアとの関係改善に向けた新たな障害として浮上しているのは、セッションズ司法長官や、大統領の娘婿であるジャレド・クシュナー氏などトランプ陣営の幹部が、選挙中や選挙後にロシア当局者と接触していたという証拠が積み上がっていることだ、とアナリストは指摘する。

セッションズ司法長官と駐米ロシア大使との接触に着目した調査の拡大に伴い、その範囲をロシア政府が大統領選の結果を歪めようとしたという疑惑にまで広げるべきだという声が高まっている。

「米国政界の中枢では、ロシアをめぐって現在大きな動揺が生じており、トランプ大統領の打つ手は限られてしまうだろう」。ワシントンにあるシンクタンク、ウィルソン・センターのロシア専門家マシュー・ロジャンスキー氏はそう語る。

米政府当局者は、不適切な接触は一切なかったと話しており、ロシア側も選挙への干渉を否認している。

<急速な関係改善は期待薄>

トランプ大統領はまだ対ロシア政策を発表していないが、大半の兆候から見て、急速な関係の変化はなさそうだ。主にシリア内戦やウクライナ問題をめぐる厳しい対立を受けて、オバマ前政権の下で、両国関係はポスト冷戦期における最悪レベルにまで冷え込んでいる。

マティス米国防長官は先月の欧州訪問の際に、近い将来にロシアとの軍事的な協力はないと述べ、北大西洋条約機構(NATO)同盟国を安心させようとした。

ニッキー・ヘイリー米国連大使は先月28日、化学兵器使用の告発をめぐる国連安全保障理事会の行動からシリア政府を守るため、ロシアが拒否権を行使したことを非難した。また2日には、ロシアによるクリミア編入を米国は承認しないと主張した。

  3月2日、昨年の米大統領選挙におけるロシア介入疑惑を巡る調査で自身の政権が守勢に立たされるなか、トランプ大統領(写真左)はクレムリンの主、プーチン大統領を称賛するツイート投稿をやめてしまった。写真は1月、プーチン大統領と電話会談をするトランプ大統領。ホワイトハウスで撮影(2017年 ロイター/Jonathan Ernst)

トランプ大統領がロシアとの関係改善に前向きであり、また特に選挙期間中はテロとの戦いを強調していたことで、トランプ氏が「イスラム国」などの過激派組織に対する軍事・情報作戦上のロシアの協力と引き換えに、他の地域における米国の国益を犠牲にするつもりではないかという懸念が米国の現旧当局者のあいだで生まれていた。

トランプ氏は選挙期間中、プーチン氏を「力強い指導者」と称賛するツイートを投稿し、プーチン氏からもトランプ氏への賛辞が送られていたが、当時と比べると、トランプ大統領による最近のロシアに関する発言には変化が見られる。

トランプ大統領は2月中旬に行なわれた記者会見で、「ロシアとうまくやっていきたいと思う」と語る一方で、「プーチン氏との関係がうまく行かないという可能性はある」とも付け加えた。

欧州の高官2人は先日、トランプ政権のロシアに対する姿勢に変化が見られるとワシントンで記者団に語った。たとえば、ウクライナを巡る制裁緩和と引き換えに、違う分野でのロシアの行動を要求するといった「重要な取引」への願望は見当たらないと彼らは述べている。

「心強いのは、少なくとも私たちとの会合のあいだ、こうした重要な取引、大きな駆け引きといった考えを誰も口にしなかったことだ」と 欧州高官の1人は匿名を条件に語った。

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もう1人の欧州高官は、「対ロシアという点では、率直に言って、現政権の分析や立ち位置が、2─3カ月前と比べて、恐らく私たちに近いものになっているという感触を得た」と述べた。

ロシアによる最近の行動も、状況をさらに複雑にしている。

ウクライナ東部の親ロシア分離独立派勢力が攻勢を強めており、また米国防総省によれば、米国の支援を受けるシリア反体制派がロシアとシリア政府側の航空機による爆撃を受けたことなども挙げられる。後者については、ロシア政府は爆撃そのものを否定している。

ロシア政府側は1日、今後の米ロ関係がどうなっていくのか理解するため、トランプ政権側からの「何らかの行動」を辛抱強く待っているところだと述べている。

「トランプ大統領からは、さまざまな声明が聞こえてくる」とロシアのドミトリー・ペスコフ大統領報道官は記者団に語った。

米上院外交委員会のメンバーでもあり、昨年の大統領選にも出馬した共和党のマルコ・ルビオ上院議員は、今後のプーチン大統領への対応について、トランプ大統領に対して警告を発している。

「わが国にはこれまで、プーチン大統領とそのような取引ができると考えた大統領が、共和党に1人、民主党に1人いた」と同上院議員は1日、上院の議場で述べた。

「しかしどちらも惨めな失敗を味わった。自分が何を相手にしているのか理解していなかったからだ。現在の大統領が同じ失敗を繰り返さないことを心から願っている」とルビオ上院議員は語った。

(翻訳:エァクレーレン)

*写真を更新しました。

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