September 25, 2019 / 4:10 PM / in 21 days

米大統領、バイデン氏疑惑捜査をウクライナに依頼 会談記録公開

[ワシントン 25日 ロイター] - 米司法省は25日、トランプ大統領とウクライナのゼレンスキー大統領が今年7月に行った電話会談の記録を公表した。会談ではトランプ氏が民主党のバイデン前副大統領の息子に絡む疑惑を調査するようゼレンスキー氏に依頼していたことが判明した。

この問題を巡っては、トランプ氏が来年の大統領選で有力候補と目されるバイデン氏に打撃を与えることを狙って、ウクライナに圧力をかけたとされる疑惑が持ち上がっている。

ゼレンスキー氏との電話会談前、トランプ氏がウクライナに対する約4億ドル規模の支援を保留するよう指示したことも、これまでに明らかになっている。

民主党のペロシ下院議長は24日、下院でのトランプ氏の弾劾訴追に向けた審議を開始すると表明した。[nL3N26F4I8]

30分間の会談の記録では、トランプ氏がゼレンスキー氏に対し、バイデン氏の息子が幹部を務めたウクライナのガス会社に対する調査再開について、自身の顧問弁護士であるルディ・ジュリアーニ氏とバー司法長官から連絡が行くと伝えたことが分かった。

会談記録の要旨によると、トランプ氏はゼレンスキー氏に対し「非常に優れた検事がいたのに解任されたと聞いた。非常に不公正だ」と述べ、ジュリアーニ、バー両氏に電話させると伝えた。

その上で「バイデン氏が自身の子息に対する訴追をやめさせたなど、子息に関するうわさが数多くあり、多くの人が真相の追究を望んでいる。したがって(バー)司法長官と協力して何とかしてもらえるとありがたい」「バイデン氏は自分が訴追を止めたと自慢して回った。だから、このことを調べてもらえたらと思う。これはひどい話だ」などと語った。

これに対しゼレンスキー氏は、次の検事総長が「100%私の側の人間」になり、「この件について調べるだろう」と応じた。さらに「ウクライナがこの問題に真剣に取り組み、調査を進めることを約束する」と言明した。

会談記録でトランプ大統領は、バイデン氏に関する調査が支援の条件になるとは明言していないものの、調査を要請するにあたり、米国の対ウクライナ支援の重要性を強調したことが分かった。

トランプ氏は「米国がウクライナに多くを提供している」と指摘。メルケル独首相はウクライナに「何もしていない」が、「米国はウクライナに非常に良くしている」と述べた。

これに対し、ゼレンスキー氏は「1000%」正しいと応じ、とりわけ防衛面での支援に謝意を示し、米国製のミサイルの購入拡大を計画していると述べた。

米司法省は、トランプ氏からバー氏にウクライナと連絡をとるよう要請した事実はなく、バー氏もウクライナ側と連絡を取ったことはないとした。

<両大統領は圧力を否定>

会談記録の公表後、トランプ氏とゼレンスキー氏は国連総会の合間に会談。ゼレンスキー氏は共同記者会見で「誰も私に圧力は掛けていない」と語った。

トランプ氏もゼレンスキー氏に圧力を掛けたことはないと言明し、弾劾手続きを開始したペロシ下院議長を批判。「私が知る限りでは、ペロシ氏はもはや下院議長ではない」と述べた。

ペロシ氏は、会談記録からトランプ大統領が米国での選挙の信頼性や大統領の尊厳、米国の安全保障を脅かす行動を取ったことが示されたと述べた。

バイデン氏は声明を発表し、「米大統領が神聖な誓約よりも自身の政治活動を優先させたことは嘆かわしい」とし、議会はトランプ大統領の「権力乱用」を追及すべきと訴えた。

今回の問題は、米情報機関の当局者がトランプ氏とゼレンスキー氏の電話会談について、懸念を示した内部告発状が発端となった。上下院の情報特別委員会のメンバーはこの日、告発状の閲覧を許可された。

民主党議員らは、告発は信頼できる内容で、深刻に憂慮すべきものだと指摘。これに対し、共和党議員らは概ね、重要性を認めなかった。

告発状は米議会議事堂の安全な場所で閲覧可能となっているが、下院は同日、告発状を議会に提出することを求める決議案を承認した。上院でも既に同様の決議案が承認されている。

共和党議員の多くはトランプ氏を擁護し、電話協議で見返りを求めるやりとりがなかったことを踏まえれば、民主党の主張は誇張されていると指摘。共和党のトゥーミー上院議員は、バイデン氏を巡るトランプ氏の会話は不適切だが、弾劾に値するものではないとした。

ペロシ氏は弾劾手続きの日程を明確に示していないが、下院司法委員会のシシリン議員(民主党)は、疑惑が事実と判明すれば、数週間以内にも下院に弾劾条項が提出される可能性があると述べた。

民主党はバー司法長官にウクライナに絡む調査に関与しないよう求めているが、司法省はバー氏の関与を控える考えはないとした。

司法省高官が匿名を条件に語ったところによると、同省当局者は前週、電話会談でトランプ氏が求めたバイデン氏周辺の調査は「数量化可能な価値」のあるものではないとして、選挙資金法違反には当たらないと判断したという。

トランプ氏は自身の行為は適切だったと主張しており、弾劾手続きの開始は「米国史上最大の魔女狩り」と非難した。

これまでのところ、バイデン氏が副大統領時代に自身の地位を利用してウクライナに絡む問題で息子を支援した証拠は出ていない。

米司法省は25日、トランプ大統領とウクライナのゼレンスキー大統領が今年7月に行った電話会談の記録を公表した(2019年 ロイター/JONATHAN ERNST)

ガス会社を捜査していたウクライナの検事に関しては、捜査が不十分として米欧などが解任を求めていた。後任となった検事はロイターに対し前週、ガス会社との関係を巡りバイデン氏の息子に不正はなかったと述べている。

ウクライナ当局は、バイデン氏や息子に対する調査を開始するかどうかは明らかにしていない。

*内容を追加しました。

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