May 24, 2016 / 6:06 AM / 4 years ago

コラム:ドル高回帰で新興国市場に「夏の嵐」も

[香港 24日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 新興国市場の投資家は夏の嵐に備える必要がある。米連邦準備理事会(FRB)当局者の相次ぐ発言を受けて6月の利上げ観測が再燃しており、新興国の為替相場や資本フローが再び圧迫される可能性があるためだ。

 5月24日、新興国市場の投資家は夏の嵐に備える必要がある。写真はブラジルのレアル紙幣と米ドル紙幣。リオデジャネイロで2015年9月撮影(2016年 ロイター/Ricardo Moraes)

中国をはじめとする新興国市場は今年波乱のスタートを切ったが、ここ数カ月間はある程度の落ち着きを取り戻している。

しかし、米利上げ観測やドル高の影響を受けやすい状況は続いている。

主要通貨バスケットに対するドル指数は5月に約3%上昇し、過去3カ月間の低下から反転している。

ドルの上昇は他国のドル建て債務コストを押し上げる。ダイワ・キャピタル・マーケッツによると、中国やインドの企業など海外の借り手はドル建て債務9兆8000億ドルのわずかしか返済していない。

このところは中国経済に回復の兆しが見られるが、こうした状況も長く続かない可能性がある。大幅な景気減速への懸念が影を潜めたが、その要因はすでに膨れ上がっていた債務をさらに拡大させたことが大きい。

UBSによると、1─4月の中国の信用伸び率は前年比17%で、名目国内総生産(GDP)伸びの倍に相当する。

新興国市場は経済を支援するために輸出に頼ることができなくなっている。これまでは貿易の拡大と経済の力強い成長を背景に資本を取り込み、通貨の上昇につながっていた。

貿易が伸び悩む現在では、名目実効為替レートが下落するとUBSは指摘する。新興国市場と先進国の成長率の差も縮まっており、西側の投資家にとって新興国資産への投資妙味は薄れている。

中国は昨年8月と今年1月に市場と十分な対話をせずに人民元の対ドル基準値を切り下げ、世界の市場に混乱を招いた。それ以降、中国の為替制度は透明性が増しているが、中国市場の急変動は依然として世界に影響を及ぼす可能性がある。

米国の追加利上げとドルが上昇するタイミングは、中国債券市場での大規模なデフォルトと重なる可能性があるほか、多額の債務を抱えるインド企業を圧迫する恐れもある。

比較的落ち着いた春の後に約束されているのは、決して穏やかな状況ではない。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

*このドキュメントにおけるニュース、取引価格、データ及びその他の情報などのコンテンツはあくまでも利用者の個人使用のみのためにロイターのコラムニストによって提供されているものであって、商用目的のために提供されているものではありません。このドキュメントの当コンテンツは、投資活動を勧誘又は誘引するものではなく、また当コンテンツを取引又は売買を行う際の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。当コンテンツは投資助言となる投資、税金、法律等のいかなる助言も提供せず、また、特定の金融の個別銘柄、金融投資あるいは金融商品に関するいかなる勧告もしません。このドキュメントの使用は、資格のある投資専門家の投資助言に取って代わるものではありません。ロイターはコンテンツの信頼性を確保するよう合理的な努力をしていますが、コラムニストによって提供されたいかなる見解又は意見は当該コラムニスト自身の見解や分析であって、ロイターの見解、分析ではありません。

0 : 0
  • narrow-browser-and-phone
  • medium-browser-and-portrait-tablet
  • landscape-tablet
  • medium-wide-browser
  • wide-browser-and-larger
  • medium-browser-and-landscape-tablet
  • medium-wide-browser-and-larger
  • above-phone
  • portrait-tablet-and-above
  • above-portrait-tablet
  • landscape-tablet-and-above
  • landscape-tablet-and-medium-wide-browser
  • portrait-tablet-and-below
  • landscape-tablet-and-below