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アングル:日銀基金が長期国債で初の札割れ、付利撤廃の思惑浮上で

[東京 16日 ロイター] デフレ脱却に向けた金融緩和策の柱である長期国債の買い入れで、その残高を積み上げるための公開市場操作が導入来、初めて札割れした。

5月16日、デフレ脱却に向けた金融緩和策の柱である長期国債の買い入れで、その残高を積み上げるための公開市場操作が導入来、初めて札割れした。写真は昨年8月、都内の日銀本店で撮影(2012年 ロイター/Yuriko Nakao)

市場で、金融機関が日銀に余分に預け入れした準備預金に0.1%の金利を付ける制度が見直されるとの思惑が急浮上。大手銀行などが日銀への国債売却を見送った。今のところは思惑の域を出ていないが、こうした見方の広がりは「国債バブル」に拍車をかけかねず、関係当局は固唾を飲んで見守っている。

日銀が16日、残存期間が1年から2年の国債を対象にした国債買い入れで、買い入れ予定額の6000億円に対し、金融機関側からの応札は4805億円にとどまった。これまでに国庫短期証券や6カ月物の資金供給などで同様の現象が生じることはあったが、国債を対象にしたオペでは今回が初めて。

こうした現象を主導したのが政策変更の思惑だったという。ある大手銀行の運用担当者は「『付利ゼロも視野に』と題する一部報道がきっかけとなり、様子見の姿勢が強まったのでは」と指摘する。

仮に付利金利が撤廃されれば0.1%以下での資金調達が容易になり、これまで下限とされてきた国債利回りも連動して低下しやすい。

16日午前の国債市場では、日本相互証券が提示する新発2年物の流通利回りが2005年7月以来、6年10カ月ぶりに節目の0.1%を割り込み、0.095%を付けた。前日からは0.010%低下した。

別の外銀関係者は「これ以上の国債利回り低下はあり得ないとタカをくくって『売り持ち』で構えていた証券会社が、一気にポジションを解消したことが金利低下につながり、オペ対象となる下限利回り(0.1%)を割り込んだことが札割れにつながった」と話す。

今のところは主要プレーヤーである銀行勢が、政策変更を先回りして国債購入に踏み切ったとの指摘は少ない。しかし、緩和観測の強まりで実需筋が買い場を失えば、「ムダな低下圧力がかかって国債バブルに拍車がかかりかねない」(当局筋)。

三菱UFJモルガンスタンレー証券の試算では、市中発行額から償還を迎える国債や日銀オペを差し引いた利付国債のネット供給額は2012年度に約12兆円と、例年の半分程度まで減る見通しとなっており、ただでさえ思うように買えない焦燥感が煽られやすい面もある。

市場には「札割れの度に金融政策の次の一手が取りざたされ、再び仕掛け的な買いが出るおそれがある」(前出の外銀)ため、「市中残高の実態に合わせるかたちで1年から2年を4000億円(現行は6000億円)、2年から3年を3000億円(同1000億円)に変更すべきではないか」(国内証券)との指摘もある。

(ロイターニュース 山口貴也 編集:伊賀大記)

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