April 25, 2019 / 7:05 AM / a month ago

ブログ:経済危機でも人生楽しむベネズエラ市民

[カラカス 23日 ロイター] - バーで過ごす夜は停電に邪魔され、野球の試合観戦は金がかかりすぎ、近くのビーチに旅行するには何カ月も貯金しなければならない──。そんな状況でも、多くのベネズエラ人は、楽しみをあきらめてはいない。

4月23日、バーで過ごす夜は停電に邪魔され、野球の試合観戦は金がかかりすぎ、近くのビーチに旅行するには何カ月も貯金しなければならない──。そんな状況でも、多くのベネズエラ人は、楽しみをあきらめてはいない。写真は3月、カラカスの遊園地を眺める子どもたち(2019年 ロイター/Ivan Alvarado)

経済危機で食料や医薬品が不足し、300万人以上が国外に逃れたが、それでもベネズエラの人々は楽しむ方法を編み出し、家族と過ごす時間を持つことで、自分たちの苦境を和らげようとしている。

塀には「普通」は特権なのか、と書かれている(2019年 ロイター/Ivan Alvarado)

ただ、停電がより頻繁になり、社会主義政府と野党の対立激化によって不透明性が高まるなかで、シンプルな喜びすら感じられなくなっている人も多い。

産油国ベネズエラは、国連による2019年の世界幸福度調査で156カ国中108位となり、前年の102位から順位を下げた。これより下にランクインした西半球の国は、147位のハイチだけだ。

同報告書は、1人当たり国内総生産(GDP)や、寛容度、平均寿命、社会的自由や汚職の少なさなどの指標をベースにしたもので、2012年の第1回報告書では、ベネズエラは19位だった。

(2019年 ロイター/Ivan Alvarado)

ベネズエラは、3月に2度発生した大規模停電で暗闇に包まれ、水不足が起きて、政府が企業や学校を閉鎖した。政府は今月、電力を配給制にすると表明。国内の多くの場所では今も、電力供給が断続的になっている。

少しでも気を紛らわせようと、首都カラカスの住人は、週末になると家族や友人と隣のバルガス州に出かけ、カリブ海に面した浜で過ごすようになっている。

恋人にキスするマルティネスさん(2019年 ロイター/Ivan Alvarado)

「心を別の場所に移すんだ」。ビーチで恋人とくつろいていた26歳の兵士、レオネル・マルティネスさんはそう語る。近くでは、恋人の甥が遊んでいた。「この国で起きていること以外のことを考えるための方法だ」

だが、最低賃金がたった月6ドル(約660円)のこの国で、15─20ドルかかるビーチへの日帰り旅行をするには、何カ月も貯金し、事前に計画を練っておく必要がある。

(2019年 ロイター/Ivan Alvarado)

マルティネスさんは、かつては40キロ離れたこのビーチによく遊びに来ていたが、今回は1年ぶりだという。

「国がこんな状況なので、毎日できることではない」と、マルティネスさんは話す。

(2019年 ロイター/Ivan Alvarado)

<「この世界には危機などない」>

ベネズエラの人々にとって、食料のための行列は日常茶飯事だ。

必要な薬を探して、薬局や病院を何カ所も回ることにも慣れている。最近では、川で水をくむことにも慣れてきた。

(2019年 ロイター/Ivan Alvarado)

だがそれでも、ホアキン・ニノさん(35)は、お金はないながらも子ども2人を連れてカラカス南部の遊園地にやってきた。

「ちょっとした楽しみのためでも、奇跡を起こさないといけない」

(2019年 ロイター/Ivan Alvarado)

カラカス東部で行われた復活祭を祝うパレードでは、麦わら帽子を花で飾った参加者たちが陽気なリズムに合わせて歌ったり、太鼓をたたいたりトランペットを吹いたりしていた。

強烈な日差しの下でパレードに参加していたカルロスと名乗る男性によると、以前は涼をとるために、見物客が水をかけてくれたという。

「今は水不足の問題があるので、多分やってくれないだろう」

(2019年 ロイター/Ivan Alvarado)

カラカス中心部では毎週日曜日、さまざまな年代の男性が集まり、ソフトボールを楽しんでいる。観戦に来る親戚もいる。

かつて球場を囲んでいたフェンスは、だいぶ前に盗まれた。以前はナイターができたが、電球も盗まれてしまった。

「夫がプレーするので、いつも来ている」と話す工業デザイナーのデリア・ヒメネスさん(62)は、夫が打席に入るたびにスタンドから飛び上がって応援していた。

「楽しんで、ストレスを振るい落とすの」

(2019年 ロイター/Ivan Alvarado)

数ブロック離れた場所では、若者が集まってブレークダンスをしていた。現実逃避させてくれるのだという。

その一方で、最近は食べ物が十分ではなく、以前ほど長時間踊れないと話す若者もいた。

「ここで踊っているときは、国のことなど考えない」。イエフェルソン・マンリケさん(24)は、長い練習で汗びっしょりになりながら言った。「この世界には、危機などない」

(撮影:Ivan Alvarado記者、文:Shaylim Valderrama記者)

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