[カラカス 5日 ロイター] - ベネズエラ情勢が混迷の色を深める中、同国の野党議員は5日、マドゥロ政権が12億ドル相当の金融資産をウルグアイの銀行に移転しようとしたものの、ポルトガルに拠点を置く銀行ノボ・バンコによって阻止されたことを明らかにした。
こうした中、ローマ法王フランシスコは、ベネズエラ情勢を巡りマドゥロ大統領から書簡を受け取ったことを確認。書簡にまだ目を通していないとしつつも、仲裁についてはオープンである考えを示唆した。
マドゥロ大統領は前日、イタリアの放送局に対し、手続きや対話を円滑に進めるためににローマ法王に書簡を送ったと語っていた。
ローマ法王庁(バチカン)が直接的な仲裁に入る可能性はあるかとの質問に対し、ローマ法王は「書簡を精査し、何ができるか検討する。ただ、双方からの要請があることが前提条件となる。われわれは前向きだ」と語った。
欧米諸国はベネズエラの野党指導者フアン・グアイド国会議長を同国の「暫定大統領」として承認し、マドゥロ政権退陣に向けた圧力を強めている。一方、ベネズエラに巨額の投資や借款を行っているロシアや中国はこうした動きを内政干渉と批判し、マドゥロ大統領への支持を表明している。
グアイド氏はこの日、ベネズエラの財界首脳らと会合を持ち、経済復興計画について協議する予定となっている。