February 12, 2020 / 6:10 AM / 12 days ago

情報BOX:新型肺炎で関心高まる「不可抗力条項」とは

[10日 ロイター] - 新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、中国市場で事業活動を行う企業の間で、法的な自衛策として「不可抗力条項」への関心が高まっている。この条項について基本事項をまとめた。

2月10日、新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、中国市場で事業活動を行う企業の間で、法的な自衛策として「不可抗力条項」への関心が高まっている。写真は北京中心部で11日撮影(2020年 ロイター/Carlos Garcia)

◎不可抗力とは何か

不可抗力とは、契約の履行を阻む想定外の外的事由を言う。

事由の条件は、予見不可能であり、不可抗力条項を発動する当事者の行動がもたらしたものではないこと。天災、ストライキ、テロリスト攻撃などは不可抗力事由になり得る。

不可抗力条項を宣言すると、その当事者は契約を履行しなくても責任を問われない可能性がある。

◎新型コロナウイルスの感染拡大は不可抗力事由か

法律専門家によると、新型コロナウイルスの感染拡大はこの事由の条件を満たす可能性が高い。しかし不可抗力条項を行使しようとする企業は、感染拡大の結果として契約上の義務履行が事実上不可能であることを示す必要がある。

中国で活動する米企業に助言している法律専門家によると、単にコストや所要時間が増えたというだけで履行義務を免れるわけではない。新型コロナウイルスについては「自由裁量ではない」という。

◎不可抗力条項の使われ方

法律専門家によると、国境を越えた商取引の契約には通常、不可抗力事由が生じている間は契約不履行を認める条項が盛り込まれている。こうした条項は「コピー・アンド・ペースト」されているだけ、つまり「しかるべき検討を行わずに」盛り込まれているときもあるという。

不可抗力条項が疾病に言及していることはまれだが、予見不可能な「政府の行為」があった際に義務履行を免れると記されていることは多い。中国当局は一部地域の封鎖や工場閉鎖を命じているため、一部の企業は「政府の行為」という文言を理由に不可抗力条項の適用を求めることができる可能性がある。

◎不可抗力条項が宣言された場合、可否は判断は誰がするか

国境を越える取引の契約には、係争が生じた際には特定の裁判所や仲裁機関が判断すると明記されていることが多い。

実際のところ、中国で活動する外国企業はこうした訴訟に持ち込むのを避け、交渉して和解を目指す方が得策かもしれない、と法律専門家は述べている。

◎新型コロナウイルスの感染拡大でこれまでに不可抗力条項を行使した企業はあるか

関係筋2人が6日、ロイターに語ったところでは、中国最大の液化天然ガス(LNG)輸入企業、中国海洋石油集団(CNOOCグループ)は、サプライヤー企業少なくとも3社に対し、不可抗力条項の適用を求めて契約を停止した。ただ、そのきっかけが新型コロナウイルスかどうかは明らかにしていない。

仏石油大手トタル(TOTF.PA) は7日、中国のLNG購入企業による不可抗力条項の適用を拒否したことを明らかにした。中国企業の社名は公表していない。

また先週、関係筋2人によると、中国南西部の銅精錬業者が不可抗力条項を宣言した。

1月31日、中国の国際貿易推進機関が、新型コロナウイルスの感染拡大によって外国企業との事業に影響が及んでいる企業に対し、不可抗力条項の認可証を発行すると発表した。そうした企業の名前は明らかにしておらず、発行要請があったかどうかも公表していない。

法律専門家によると、こうした認可証は重要な意味を持つが、これにより交渉や、さらには訴訟にもつれ込む可能性が排除されるわけではない。

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