[広州/上海 21日 ロイター] - ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)(VOWG_p.DE)は21日、今年不振だった中国市場について、来年は落ち着いた環境になり、販売は小幅増加すると予想。ただし、その後の3─4年間はこうした低成長が続くとの見通しを示した。
中国の今年の自動車販売台数は、前年比8%減少の2810万台との見通しが出ている。米中貿易摩擦や景気減速、新たな排出ガス規制を巡る混乱などが打撃となっているためだ。昨年は2.8%減と、1990年代以来の前年割れとなっていた。
VW中国のシュテファン・べレンシュタイン最高経営責任者(CEO)は広州モーターショーでロイターに対し「中国市場が17年の水準に戻るのに23─24年ごろまでかかる」との見方を示した。
一方、VWの同国での今年10月の自動車販売台数は前年同月比6.7%増加。年初来では前年同期比1.8%減少したが、同期間の中国の乗用車業界全体の下落率12%と比べると落ち込みは小幅にとどまっている。18年第4・四半期以降、SUV(スポーツ用多目的車)8種を中国で現地生産している。
23年までに中国で新エネルギー車を年間約50万台販売する計画で、この多くは新型電気自動車(EV)「ID」系の車種が占める見通しという。ベレンシュタイン氏は「ID系車種は中国での新たな大衆市場向けEVになると考えている」と述べた。