[東京 2日 ロイター] - サッカーワールドカップ(W杯)関連銘柄が再び上昇している。カタール大会の1次リーグ最終戦で日本がスペインに2─1で逆転勝ちし、決勝トーナメント進出を決めたことが好感されている。関連株はドイツ戦の勝利で人気を集めたが、コスタリカ戦で敗退した後に下落していた。
インターネットTV「ABEMA」で全試合を無料中継するサイバーエージェントは一時7%高、サッカー用品を手掛けるミズノは一時5%高まで買われた。店内で試合を放映している英国風パブ「HUB]を運営するハブは一時ストップ高となった。
サイバーエージェントによると、ABEMAは日本が勝ったドイツ戦で1日の視聴者数が過去最高となる1000万人を超え、コスタリカ戦では1400万人まで拡大した。1週間の視聴者数は、コスタリカ戦が終わった段階で3000万人を超えた。「今回のスペイン戦を受け、再び過去最高を更新するとみている」(宮川園子IR・SR室長)という。
ミズノによると、W杯が始まった11月22日から12月1日までのサッカーシューズ全体の売り上げは、直営2店舗で前年比2倍以上、オンラインストアでは同1・4倍。「特に、日本代表が着用する限定カラーのサッカーシューズに関する問い合わせが増えている」(朝倉遼治コーポレートコミュニケーション室サッカー担当)としている。
HUBでは、前回ロシア大会(2018年)の開催時期は前年比2割程度売り上げプラスになった。今回は「コロナや(日本との)時差の影響もあって、足元(の売り上げ影響度)ははっきりわからない」(広報部)が、期待感は大きいという。
三井住友DSアセットマネジメントのチーフマーケットストラテジスト・市川雅浩氏は「きょうの日本株市場は地合いがよくないため、アシックスやキリンホールディングスなどは下げているが、決勝トーナメントが進むにつれサッカー関連銘柄の物色の余地はまだ残っている」と話している。
(斎藤信世 取材協力:佐古田麻優 編集:伊賀大記、田中志保)
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