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アングル:米ハイテク株軟化、押し目買いの機会かさらなる調整の兆しか

[ニューヨーク 5日 ロイター] - 足元の米ハイテク株軟化は押し目買いの機会か、それともさらなる調整の兆しなのか、投資家の論争が続いている。

 3月5日、足元の米ハイテク株軟化は押し目買いの機会か、それともさらなる調整の兆しなのか、投資家の論争が続いている。ニューヨークのマンハッタンで2020年3月撮影(2021年 ロイター/Carlo Allegri)

ナスダック総合は2月12日に付けた終値ベースの過去最高値からこれまでの下落率が8.3%と、S&P総合500種の3倍強に達した。人気を集める成長株の下げはもっときつく、電気自動車(EV)のテスラは27%、オンラインフィットネスのペロトンは32%下落した。

アップルやアマゾン・ドット・コムといった銘柄が値下がりした場面ですかざす買いを入れる方法は、過去10年間ずっと成功し続けてきた戦略の1つ。この間、大型ハイテク株と成長株が米国株をけん引してきたからだ。既に押し目買いの気配は見られ、5日のナスダック総合は急落後に切り返し、1.6%高で取引を終えている。

ただ一部の市場参加者は、現在のハイテク株の下げ局面が以前より長引くのではないかと懸念する。その背景には、米経済が力強く回復し、「巣ごもり」関連銘柄から、全面的な経済活動再開の恩恵を受けそうな銘柄への資金シフトが加速するとの見方がある。そうした循環物色の勢いをさらに強めているのが長期金利の高騰で、5日には米10年国債利回りが一時1.625%と、1年余りぶりの水準に跳ね上がった。

ネッド・デービス・リサーチのチーフ米国ストラテジスト、エド・クリソルド氏は「米経済活動が再開するとともに、ハイテク以外のセクターの利益が劇的に伸びようとしている」と述べた。大型ハイテク株と成長株の増益率はそれに及びそうにはないという。

また利回り上昇は、バリュエーションが膨らんでいるハイテク株と成長株にとってより重圧となりかねない。これらの銘柄の長期的なキャッシュフローの価値が損なわれる恐れがあるからだ。

実際、今の利回り高騰が始まった2月半ば以降、S&P総合500種の情報技術セクターは7%、ラッセル1000成長株指数は7.7%それぞれ下がった一方、景気回復がプラスに働く銀行などを含むラッセル100バリュー株指数は1.8%上昇した。

チェース・インベストメント・カウンセルのピーター・タズ社長は、ここ数週間でハイテク株保有高を圧縮し、アップルやクアルコムといった銘柄の一部を売却したと明かした。その理由としてバリュエーションを巡る不安や、市場が他のセクターに買いの対象を移している証拠がある点を挙げている。

タズ氏は「ハイテク株が他の多くのセクターほど値動きが良くないのは明確だ」と話す。

確かに米経済の持ち直しは、低迷してきたセクターの業績を強力に押し上げる公算が大きく、ハイテク株の予想利益が色あせてしまう面もある。

リフィニティブIBESによると、今年の金融、素材、工業の増益率見通しはそれぞれ23%、34%、72%だが、ハイテク株は15%にとどまる。同時にハイテク株のバリュエーションはなお歴史的高水準で、リフィニティブ・データストリームが示す予想利益に基づく株価収益率(PER)は26.6倍と、過去平均の約21倍を上回っている。

それでも投資家の間では、ハイテク株の収益基盤は強固で、景気回復に伴う全般的な業績回復が一服した後でもしっかりした増益基調を保てるとして、今の下げ局面は押し目買いの好機になり得るとの声も聞かれる。

ハイテク株のバリュエーションが跳ね上がったとはいえ、20年前のドット・コム・バブル時代に比べるとまだ随分と低い。この時、ナスダック総合は1年足らずで50%を超える下落を記録している。

シノバス・トラストのシニア・ポートフォリオマネジャー、ダニエル・モルガン氏は「ハイテクセクターの健全性は当時をはるかに上回っている。私は引き続き楽観的で、ファンダメンタルズはしっかりしているとの思いは変わらない。2000年夏のような大幅安は想定していない」と主張した。

(Lewis Krauskopf記者)

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