[サンフランシスコ 26日 ロイター] - 米グーグルの親会社アルファベットの自動運転車部門ウェイモは26日、「ライダー」と呼ばれるレーザー光を駆使して対象物の形状や対象物までの距離を計測する光センサーについて、他社への販売を停止すると発表した。
自動車業界以外の顧客に販売し、自動運転車の重要な部品のコストを押し下げるという2019年当初の戦略から転換した形だ。
ウェイモの広報担当者は発表文書で「われわれはウェイモ・ワン(配車サービス)事業とウェイモ・ビア(宅配サービス)事業での(自動運転技術)ウェイモ・ドライバーの開発・展開に引き続き注力しており、法人向けライダー事業の閉鎖を進めている」と述べた。
ただ、今後も自社でのライダーの製造を続けるという。
ウェイモは過去10年以上にわたって業績が低迷しており、ジョン・クラフチック最高経営責任者(CEO)や一部幹部の退任を受け、戦略の見直しが行われるのではないかとの見方が出ていた。
同社は19年、3種類の自社製ライダーのうち1つを同業他社ではなく、ロボット工学や農業分野などの顧客に販売するとし、規模の経済を通じて低価格化を実現できるとしていた。
ウェイモがライダー販売事業の開発・運営コストを相殺するのに十分な売り上げを上げているかどうかは明らかではない。
ウェイモを含むほとんどの自動運転車企業は、ライダーが完全な自動運転を実現する鍵になるとの見方を示している。一方、米電気自動車(EV)大手テスラのマスクCEOは、コストの高いライダーに依存する企業は「絶望的」と述べている。
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