[ウィルミントン(米デラウェア州) 24日 ロイター] 米ルイジアナ州沖合のメキシコ湾で起きた英石油大手BPBP.Lの深海の石油掘削施設(リグ)爆発による原油流出事故に関連し、BPの株主は、安全管理に不備があり、将来的に問われる可能性のある膨大な責任を同社に負わせたとして、取締役会を提訴した。
デラウェア州の衡平法裁判所に提出された書類で明らかになった。
事故は1カ月前に発生し、作業員11人が死亡、ミシシッピ・デルタの湿地帯にも流出した原油が漂着した。
訴状は「原油流出事故は、BPとBP子会社に財政上の影響を及ぼすだろう。それは所有物、商業的利益、野生生物に与えた損害に対する責任を含め、数十億ドルに上るだろう」とし、事故によってBPの時価総額から約400億ドルが消失したと主張した。
株主を代表してBPを提訴したのは、フィラデルフィアの公共交通機関を運営し、BPの米国預託株式を保有する南東ペンシルバニア交通局(SEPTA)と、個人投資家のロバート・フリードマン氏。
原告側は、損害賠償を求めるとともに、社内取締役の人数制限や環境への影響を監視する委員会の創設など、BPのコーポレート・ガバナンスの改善策を講じるよう取締役会に命じることも求めた。
BPの広報担当者は係争中の訴訟についてはコメントしないと述べた。