[ワシントン/ロンドン 14日 ロイター] オバマ米大統領は今週、英BPBP.NBP.Nのメキシコ湾原油流出事故を受け、初の国民向けの演説を行うとともに、BP幹部との初めての直接会談を予定しており、この問題への大統領の政治手腕が問われることになる。
大統領は、4度目のメキシコ湾現地視察からワシントンに戻った15日の米東部時間午後8時(日本時間16日午前9時)から演説を行う。演説は全米でテレビ中継される見通し。
また16日には、BPのスバンバーグ会長やヘイワード最高経営責任者(CEO)など幹部と会談する予定で、その際に原油流出で被害を受けた住民や企業に補償するため「エスクロー勘定」を設定するよう求める方針。また補償金の支払いが適切に行われるよう、補償金の支払いを管理する独立パネルの設置も求める考え。
民主党の米上院議員54人はBPに対し、被害者への補償や環境修復コストをカバーするため、とりあえず200億ドルを独立管理する勘定に入金するよう求めている。
関係筋が13日明らかにしたところによると、BPが配当を停止する可能性は低く、BPはコスト負担が明確になるまで配当支払いの延期や株式での支払いなどを検討している。また配当問題に関して今週決定が下される可能性は低いという。
BPの配当は、英企業が支払う配当額全体の12%を占めており、BPの配当が停止されれば影響は大きい。
米議員は、オバマ大統領に対してBPにより厳しい姿勢で臨むよう求めているが、英当局者は、BPの経営状況の不安定化による経済的影響に関して懸念を表明している。
米議会は15日にBPの米国部門代表を含むすべての石油大手企業を招き、公聴会を開催する。またBPのヘイワードCEOは17日、下院エネルギー・商業小委員会で証言する予定。
BPは原油回収のコストが30億─60億ドルになるとの見通しを示しているが、多くのアナリストは、それ以上のコストがかかるとみている。