[ウィーン 17日 ロイター] 東日本大震災を受けて日本に緊急援助チームを派遣している国際医療援助団体「国境なき医師団(MSF)」 は、福島第1原子力発電所の事故状況が一段と深刻化した場合、現場付近から(訂正)スタッフを引き揚げる可能性がある。エリック・ウアネス日本事務局長が17日明らかにした。
ウアネス氏は、MSFのチームには被ばくによる病気の治療に関する専門知識はないと説明。「1時間ごとに状況をモニターしている。現場チームには放射線検出器を持たせてあり、健康に害が出るなど危険なレベルに達したらすぐに彼らを避難させる」と述べた。
また、MSFが訪れた避難所20─30カ所では、主な健康問題は高血圧や心疾患、糖尿病といった高齢者の慢性疾患であり、一部では脱水症状のほか低体温症もみられたと指摘。現地では燃料や食料、水が不足しているが、最も緊急性を要するのは毛布だの見方を示した。
MSFのウェブサイトによると、現在は11人が日本に滞在している。
*原文の訂正により、見出しを変更し、第1段落の「日本から」を「現場付近から」に訂正します。また、写真キャプションも訂正します。