[バンコク 16日 ロイター] タイの洪水被害で工業団地の閉鎖が広がっている。一方、首都バンコクでは北部から大量の水が流入しているものの、当面は他地域ほどの壊滅的な被害は回避できる見通し。
タイでは7月末からの大雨で、これまでに297人が死亡し、被害額は30億ドルに上っている。国土全体の3分の1が浸水しているが、当局者は、堤防の強化や運河の拡張により、バンコクは被害を回避できる見込みだとしている。
バンコク北方のアユタヤ、パトゥムターニー、ナコンサワンなどが大きな被害を受けており、アユタヤのバーンパイン工業団地など、いくつかの大規模な工業団地が閉鎖された。
これらの工業団地には電子部品や自動車部品工場が多く立地しているため、タイをアジアでの生産拠点としている多くの海外企業にも影響が及んでいる。
ホンダ7267.Tは、全世界の生産の4.7%を占めるアユタヤの自動車工場が閉鎖された。同社は、10月21日まで閉鎖が続く見込みとしている。
当局者によると、パトゥムターニーにあるナワナコン工業団地も危機にさらされている。