[ワシントン 28日 ロイター] 米国の研究者らは28日、4月にインドネシアで報告されたH5N1型鳥インフルエンザウイルスが、人から人へ感染したことを数理解析によって確認したと明らかにした。
シアトルにあるフレッド・ハッチンソンがん研究所のアイラ・ロンギニ氏率いる研究チームが、医学誌「Emerging Infectious Diseases」で発表した。同チームは、病気の発生に際し、危険な伝染病や流行病が発生しているかを即座にテストするソフトウエアツールを開発したという。
研究チームによると、昨年インドネシアのスマトラ島で家族8人が死亡した事例とトルコで8人が感染、うち4人が死亡したケースを調べたところ、スマトラの事例のみ人から人に感染した統計上の証拠が確認できたという。
トルコの事例については「単に統計上の証拠が見つからなかっただけ」で、それが「人から人への感染が起こらなかったということにはならない」と指摘している。
専門家らの間では、スマトラのケースは人から人への感染との見解でほぼ一致しているが、そのことを立証するさらなる材料が待ち望まれていた。