[シドニー 13日 ロイター] オーストラリア連邦統計局が発表した11月の雇用統計は、就業者数が予想を大きく上回ったが、求職者数の増加が失業率を押し上げたため金融政策の見通しを方向づけるものとはならなかった。
11月の就業者数(季節調整済み)は前月比5万2600人増と、市場予想の2万人増を大幅に上回った。10月は5400人増だった。
失業率は8カ月ぶりの高水準となる4.5%で、10月の4.4%、市場予想の4.3%を共に上回った。9月には33年ぶりの低水準となる4.2%を記録していた。
マッコーリー銀行のシニアエコノミスト、ブライアン・レディカン氏は「雇用は非常に力強いものとなったが、求職者数の増加を背景とした失業率の上昇に相殺された」と述べた。
11月の労働参加率は65.3%と、10月の65.0%を上回り、過去最高水準となった。
アナリストは、11月の就業者数増加の主因はパートタイム就業者の増加にあると指摘。これは11月24日に行われた豪総選挙関連の一時的な雇用増加に起因する可能性がある。
レディカン氏は「力強い労働需要があるが、供給の増加で満たされており、これ自体インフレを誘発するものではない」と指摘。「金利動向にとっては中立的で、政策担当者を悩ませることはない」と述べた。
投資家の見方も同様とみられ、統計発表後の豪ドルと債券先物の反応はほとんどみられなかった。