[ボストン 27日 ロイター] 米ハーバード大学は、著書「文明の衝突」で西側諸国とイスラム世界との対立を予見した政治学者のサミュエル・ハンチントン氏が24日、マサチューセッツ州の介護施設で死去したと発表した。81歳だった。
ハーバード大で昨年まで58年間、教壇に立ったハンチントン氏は、米フォーリン・アフェアーズ誌で発表した論文に加筆した「文明の衝突」を1996年に出版。世界がキリスト教、イスラム教、ヒンズー教、儒教といった宗教を基にした文明ごとに分裂し、それぞれの競合や対立は不可避と主張した。
同著は、冷戦後の世界における対立の構図がイデオロギーよりも宗教だとして大きな議論を呼び、特に2001年9月の米同時攻撃後に、西側諸国とイスラム世界との関係を予見したものとして話題となった。