[ベルリン 23日 ロイター] 世界銀行のゼーリック総裁は、西欧諸国は東欧諸国から資金を引き揚げずに支援すべきだとし、欧州が再び分裂することになれば欧州全体にとって「大きな悲劇」だとの見解を示した。
南ドイツ新聞とのインタビューで語った。
23日付の同紙によると、総裁は、ロシア、ウクライナ、トルコを含む東欧諸国は、銀行の資本増強に1200億ドルが必要になると指摘。「われわれは欧州復興開発銀行(EBRD)、欧州投資銀行(EIB)、国際通貨基金(IMF)と連携して問題解決にあたっているが、西欧諸国の協力がなければ成功はない」と述べた。
さらに、「東欧にとって最も重要な資金調達経路は、ドイツ、オーストリア、イタリア、ベルギー、スウェーデンの10─12の大手銀行だ」とした上で、それらの銀行の一部は自国の住宅市場の悪化に加え、おそらく政府要請を受けて、すでに東欧から資金を引き揚げたとし、東欧諸国の資金調達経路が断たれていると指摘。
その上で、西欧諸国は国内銀行に対して東欧への融資を維持するよう奨励すべきで、これは欧州統一市場の構成国である各国の国益にかなうと述べた。
さらに各国政府に対し、銀行救済策について意見を交換し、国境を越えた問題に対処することを求め、IMFがこの分野で一翼を担える可能性があると指摘した。