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北朝鮮が核実験実施、今後想定されるシナリオ

 5月25日、2回目の核実験により北朝鮮の国際的な孤立は一層深まることに。写真はピョンヤンでの軍事パレード。2007年4月撮影(2009年 ロイター/KRT via Reuters TV)

 [ソウル 25日 ロイター] 北朝鮮は25日、地下核実験を成功裏に実施したと発表した。核爆発力とコントロールを新たな段階まで強めたという。2006年10月に続く2回目の核実験により、北朝鮮の国際的な孤立は一層深まることになる。

 今回の核実験後に考えられるシナリオをまとめた。

 ◎核実験は北朝鮮にとって最大の挑発行為の1つであり、国際社会に対する威嚇(いかく)はこれでいったん落ち着く可能性がある。そうなれば、今回の核実験が地域の金融市場に与える影響も短期的なもので済む可能性がある。

 ◎2006年10月の前回核実験よりも性能面などで優れた核兵器を製造したことが今回の実験データで示されれば、近隣諸国への軍事的脅威は高まることになる。

 ◎北朝鮮と同国最大の支援国である中国との関係は悪化するとみられる。国連安保理常任理事国である中国は、安保理による対北制裁強化に拒否権を発動しないと考えられ、北朝鮮への国際的な制裁は一段と強化されるとみられる。

 ◎国連安保理による既存の対北制裁決議は、北朝鮮による今年4月のロケット発射を受けて実施が強化されており、北朝鮮側は今回の核実験による経済的制裁強化はすでに織り込み済みである可能性がある。

 ◎北朝鮮は寧辺(ニョンビョン)の核関連施設を全面的に再稼動させる可能性が高い。同施設では年間に核爆弾1個分の核分裂性物質を製造することができるが、専門家によると、全施設の本格的な再稼動には約1年かかる。

 ◎北朝鮮は核爆弾6─8個を製造するのに十分なプルトニウムを持っていると考えられているが、今回の核実験により、同国に備蓄されている核分裂性物質は大きく減少したとみられる。

 ◎北朝鮮はオバマ米政権に核兵器保有国として認めさせ、米朝間の直接交渉に引き込もうとするとみられる。

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