[イスラマバード 29日 ロイター] - パキスタン北部ラホールで、恋愛結婚をした女性(25)が結婚に反対した父親らによって殺害された事件を受け、同国のシャリフ首相は29日、事件が「残忍な殺人」だとし、詳しい調査を命じた。
首相府が発表した声明によると、シャリフ首相は事件について「決して受け入れられない」と非難。事件への対応と報告を命じた。
事件は27日、ラホールの裁判所前で発生。女性の夫によると、女性はれんがで殴り殺され、その間警察は行動を起こさずにいたという。ただ、警察側は到着した時には女性は亡くなっていたとしている。父親は逮捕された。
女性は家族が決めていた、いとことの結婚を選ばず、自分の愛する男性と結婚。殺害された時は妊娠していた。
家族の名誉を汚したとして、主に女性や少女が殺害される「名誉殺人」とされる今回の事件に対しては、国際社会から非難の声が上がっている。
国連のピレイ人権高等弁務官は「このように女性を殺害することには『名誉』のかけらもない」とし、「名誉殺人」という言葉は使いたくないと述べた。
一方、政府関係者はロイターに対し、女性の夫が最初の妻を殺害していたと明らかにし、「逮捕され、その後保釈された」とコメント。「汚れのない人物というわけではない」と述べた。
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