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アングル:米国郵政公社、電子商取引向け配送に積極参入

[シカゴ 24日 ロイター] - 米国郵政公社(USPS)は長年にわたる郵便配送事業の落ち込みへの対応策として、2012年から電子商取引業界への積極的な売り込みを開始。デロイトは今年の年末商戦で電子商取引関連の扱いが14%増えると予想する。

 12月24日、米国郵政公社(USPS)は長年にわたる郵便配送事業の落ち込みへの対応策として電子商取引業界に積極的な売り込みを行っており、今年の年末商戦で電子商取引関連の扱いが14%増えると予想されている。カリフォルニハ集で10日撮影(2014年 ロイター/Lucy Nicholson)

ただ専門家からは、配送車両に十分な荷物スペースを確保できるか、労働組合化の進む従業員が大量の荷物をさばけるかなどを疑問視する声も聞かれる。

USPSは過去2年間に配送状況が逐次確認できる小包読み取りシステムを導入し、配送員用の小型読み取り装置も全面的に更新した。チーフ・マーケティング・アンド・セールス・オフィサーのナギサ・マナベ氏は「これまで接触のなかった顧客に電話での売り込みのようなことを始めた」と話す。

USPSはインターネットの普及で稼ぎ頭の普通郵便事業は大打撃を受けた。同事業の不振が響き、2014年度は純損益が55億ドルの損失と、8年連続の赤字だった。

普通郵便の配達量は09─13年に20%以上減少。9月末年度の配送件数は前年度の1582億件から1554億件に減ったが、減少分のうち22億件が普通郵便だった。一方、小包配送は37億件から40億件強に増加し、売上高の伸び19億ドルのうち11億ドルを占めた。

マナベ氏によると、年末商戦では米電子商取引大手アマゾン・ドット・コムAMZN.O向けに多くの都市で日曜配送を実施。アマゾンに対しては多くの市場で同日配送や翌日配送を手掛ける計画だ。またイーベイEBAY.Oも主要顧客で、ほかにもかなりの数の電子商取引業者の配送を一部請け負っているという。

配送各社はUSPSがクリスマス前の配送急増にどう対処するかを見極めようとしている。

USPSは既に各戸への配送ルートを確立しており、配送コストもユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)UPS.NやフェデックスFDX.Nの4分の1程度と安い点が強みだ。ネオポストUSAのビニー・デアンジェリス副社長は「USPSは究極的な各戸への配達網を有しており、チャンスは本物だ」と話す。

配送追跡ソフト開発会社シップマトリックスによると、昨年の電子商取引業界向け配送分野のシェアはUSPSが59.2%、UPSが31.9%、フェデックスが8.9%。USPSは今年の11月17日からクリスマスまでの休日配送件数が12%程度増えた。

ただ一方でUSPSの配送車両は多くが配備から25年以上を経ており、小包ではなく郵便を扱うような仕様になっている。マナベ氏は今後4年間に新型配送車両に100億ドル強を投じるとしている。

また、事業に関して議会の影響力が及ぶ半政府機関のUSPSは労働者の組織化が進んでおり、電子商取引関連の事業拡大に対処する上で問題が生じるのではないかと懸念する専門家もいる。

カウンシル・オブ・サプライチェーン・マネジメント・プロフェッショナルズの幹部のブライアン・ハンコック氏は「USPSのビジネスモデルを考えると、フェデックスやUPS並みの生産性を実現できるとは思えない」とした。

(Nick Carey記者)

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