[ワシントン 20日 ロイター] - オバマ米大統領は20日、2015年の一般教書演説に臨んだ。以下は一般教書演説のポイント。
<税制改革>
中間層支援のために富裕層への増税を呼びかけ。キャピタルゲイン税率を23.8%から28%へ引き上げ、富裕層が相続財産に関し「公正なシェア」を支払うよう税の抜け穴を封じる。
その他中間層支援策:
・子供を抱える世帯について、税額控除の金額を最大3000ドルと、現在の3倍に。
・4歳児に質の高い就学前教育を提供する連邦・州パートナーシップを創設。たばこ増税による財源を充てる。
・共働きの中間層世帯向け減税。
<イスラム国>
イスラム国への武力行使に関する新たな権限を認める法案を可決するよう議会に要求。
<通商問題>
環太平洋経済連携協定(TPP)と環大西洋貿易投資パートナーシップ(TTIP)への支持を呼びかけ。
貿易協定の議会承認を円滑にする大統領貿易促進権限(TPA、通称ファストトラック)法案の可決へ強い意欲を表明する。また、大統領は輸出入銀行の免許延長を望んでいる。
<サイバーセキュリティー>
大手企業への最近のハッキング被害を受け、「サイバー攻撃の脅威の高まりに対応する」法案の可決を議会に求める。
<インフラ>
老朽化した橋梁や道路の修繕のため、インフラ投資拡大を求める。
<有給休暇>
勤労者に最大で年7日の有給での病欠を付与する法案可決を要請。
<金融改革>
金融危機回避に向け2010年に成立した金融規制改革法(ドッド・フランク法)を後退させるもくろみに警告。住宅金融改革の実施を求めるほか、住宅保有者支援の強化を約束。
<コミュニティカレッジ>
2年間の無償教育に向け600億ドル規模のプログラムを推進。
<地方ブロードバンド>
ブロードバンドサービス業者の競争を損なう州法の廃止を求める。
<司法制度改革>
非暴力の麻薬犯罪者に関する量刑基準改革を求め、ミズーリ州ファーガソンでの警察官による黒人射殺事件などを受けた対応について説明。
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