[ハノイ 2日 ロイター] - ベトナム政府のシンクタンクは2日、同国の2015年第1・四半期の国内総生産(GDP)伸び率が前年比5.4%に加速するとの見通しを示した。
国家金融監督委員会は報告書で「このトレンドは第1・四半期以降も数四半期続き、6.2%という2015年通年の成長率目標の達成は可能だ」との見方を示した。
2014年第1・四半期の成長率は5.06%だった。
国家金融監督委員会は、2015年のインフレ率について、原油価格の下落を背景に3%に鈍化すると予想。2014年12月のコアインフレ率の伸び鈍化とここ数年のインフレ率平均の低下も、インフレ率鈍化の要因だ、と指摘した。
12月のコアインフレ率(食品、必需品、公共サービス料金を除く)は約3%だった。2014年のインフレ率平均は4.09%と、2013年の6.6%から鈍化した。
HSBCのエコノミスト、Trinh Nguyen氏はリポートで、ベトナム経済は今年、需要低迷やデフレなどのリスクに直面する可能性があると指摘。
石油などのコモディティの供給過剰や世界需要の低迷、急速な通貨安、ぜい弱な国内の景気回復を背景に、名目成長の達成は、一段と貿易重視になっているベトナム経済にとり難しいだろう、との見方を示した。
HSBCはまた、インフレの低下が続けば、経済は、拡大する財政赤字を補うのに必要な速さで成長しないかもしれない、との見方を示した。
*内容を追加しました。
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