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アングル:英首相「3期目否定」は戦略ミスか、後任レース始動

[ロンドン 24日 ロイター] - キャメロン英首相は23日放映のBBCテレビで、5月7日の総選挙で勝利し2期目の再任が決まった場合、3期目は目指さないと表明した。選挙前に自らの在任期限を明確にする異例のコメントを受けて、メディアでは次の首相に関する報道合戦が過熱、選挙戦の争点がぶれる可能性も出ており、キャメロン首相の「戦略ミス」との見方が広がっている。

 3月25日、キャメロン英首相は23日放映のBBCテレビで、5月7日の総選挙で勝利し2期目の再任が決まった場合、3期目は目指さないと表明した。ロンドンで2月撮影(2015年 ロイター/Stefan Wermuth)

首相はBBCとのインタビューで、再選され2020年まで英国を治めたいと考えているが、それ以降の続投は目指さない、と強調した。

首相は「新たな指導者に交代するのが適切になるときが来る。保守党にはすぐれた人々がいる。私は3期目は考えていない」と述べた。

首相はさらに、次期首相の候補になり得る人物として、メイ内相、ロンドンのジョンソン市長、オズボーン財務相ら3人の名前を挙げた。

与党保守党と最大野党・労働党の支持率が拮抗するなか、今回のキャメロン首相のコメントは軽率な戦略ミスと受け止められている。

首相自身の支持率に深刻な影響が及ぶ可能性は小さいとみられるが、総選挙で勝利して2期目の再任が決まった場合でも、首相の権威が徐々に失墜し、2期目の政権が「レームダック化」するリスクがある。

閣僚らが24日の朝方、閣議出席のためにロンドンのオフィスに次々と到着した際、記者は総選挙ではなく次期首相レースに関する質問を浴びせた。閣僚らは苛立ったような表情を浮かべ沈黙を守っていた。

首相がなぜ今、3期目の去就について発言したのかは定かではない。2017年にも見込まれる欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民投票後に退任する、との観測を打ち消す狙いがある、との指摘もある。

野党は、選挙での勝利を前提とした傲慢な発言、と非難した。

<ブレア元首相と同じミスか>

ブレア元首相との相違点を指摘する向きもある。ブレア元首相は3期目を目指す総選挙の前に、4期目の再任は目指さないと明言した。

ブレア元首相は再選されたが、その権威は徐々に弱まり、2007年に任期半ばで辞任。ゴードン・ブラウン氏に首相の座を明け渡した。

総選挙が盛り上がりを欠くなか、メディアはキャメロン首相の発言に飛びついた。タイムズ紙は「次期首相レースが始まった」と表明。

保守系のデイリー・テレグラフ紙は、キャメロン首相のコメントについて、サッチャー元首相の二の舞を避けるため、と分析している。サッチャー元首相はかつて、「(首相職を)ずっと続ける」と宣言していたが、最終的には党内部の造反などもあって、辞職に追い込まれた。

キャメロン首相の報道官は、再任された場合「2期目を全うする」と説明。側近らは、首相は権力自体を求めてはいないことを有権者に伝えたかった、と擁護している。ファロン国防相はBBCで「どんな政治家にも『寿命』はある。絶対に不可欠という人はいない」と述べた。

Andrew Osborn記者 翻訳:吉川彩 編集:加藤京子

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