[ロンドン 17日 ロイター] - ドイツ銀行は、中央銀行に金保有の積み増しなどを義務付ける法案の是非を問うスイスの国民投票をめぐり、賛成が過半数を上回ったとしても、必ずしも金相場の押し上げ要因にならないとの見解を示した。投票は30日に行われる予定。
スイス国民党(SVP)が提出した同法案は、スイス国立銀行(中央銀行、SNB)に全資産の20%を金で保有し、国外で保有している金をスイス国内に持ち帰り売却しないよう義務付けている。
先月の世論調査では、賛成が44%を占めたが、法案成立に必要な過半数には届いていない。
ドイツ銀行は短信で、現在の金相場XAU=は過去最高だった2011年の水準を38%下回っており、スイスでの金保有の積み増し義務化は金相場にとって必ずしもプラスにはならないと指摘した。
また同法が成立すると、SNBは向こう5年間で金保有を1500トン積み増す必要があるが、日量換算では1.2トンの調達にとどまり、日々の取引の「ほんの一部」にすぎないと強調した。
さらに、SNBは「金現物を保有したり、先物契約を行ったりせず」に、毎月のバランスシート報告日の直前に金塊を一時的に借り入れ、翌日に通貨と交換するスワップ取引を他国中銀と行う可能性もあるとしている。
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