[東京 10日 ロイター] - 大江博・環太平洋連携協定(TPP)首席交渉官代理は10日、日米事務レベル協議について、残された問題は、月末の閣僚会合で政治的な判断で決着するとの見通しを示した。
コメの市場アクセス問題について、同氏は「最後は政治決着が残っている。(事務レベル協議で)問題を整理して、月末に政治判断を仰ぐというところにもっていく」と述べた。
また、閣僚協議の見通しに関しては「日米だけの問題ではなく、いろいろな国を巻き込んで決着する。最後のところは(12カ国)同時に決まる時は決まる」とし、全体合意に期待を示した。
大江氏によると、日米事務レベル協議は終了したが、カトラー通商代表部(USTR)次席代表代行は11日も東京に残り、非公式な意見交換を行う可能性があるという。
今回の日米事務レベル協議全体について同氏は「私もカトラー氏も次は最後、という意味では、ゲームすることなく正直に議論ができた」と評価した。
一方、カトラー氏は協議後に記者団に対し「自動車、農業を含め残された問題についての隔たりをさらに狭めることができ、意を強くしている。合意に向けた道のりを明らかにすることができた」と述べた。
閣僚会合で合意が成立することにどの程度自信があるか、との質問に対し、カトラー氏は、具体的な数字で表すことはしない、としながら、「閣僚会合の成功に向け、日本、その他の参加国と努力を続ける」と答えた。
コメの市場アクセスについて、なお日米で隔たりがあるのでは、との問いに、同氏は、日本がTPPに参加した時に予想した通り、コメは難しい問題になった、と指摘。「日米間で進展がみられているが、いまだ残された問題であり、ハワイでの閣僚会合で協議する必要がある」とした。
*内容を追加しました。
宮崎亜巳
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