[ロンドン 23日 ロイター] 国際穀物理事会(IGC)は23日、米国やロシアを襲った干ばつの影響で、2012/13年度の世界のトウモロコシと小麦の在庫が数年ぶりの水準に落ち込むとの見通しを示した。
穀物価格の上昇や食糧危機、また小麦の主要生産国ロシアによる輸出規制をめぐる懸念が高まっている。
IGCは月報で、2012/13年度の世界のトウモロコシ在庫が1億2000万トンと、9年ぶりの低水準になるとの見通しを示した。これに伴い、消費も約20年ぶりに初めて減少すると予想した。
IGCは「米国やウクライナの輸出向けトウモロコシの供給は縮小する。また、ブラジルやアルゼンチン、南アフリカでは豊作となる可能性があるものの、収穫はまだ数カ月先のことだ」と指摘した。
米中西部が56年ぶりの厳しい干ばつに見舞われたことを背景に、IGCは2012/13年度の米国のトウモロコシ生産高見通しを2500万トン引き下げ、2億7500万トンとした。
世界のトウモロコシ生産高見通しについては2600万トン引き下げ、8億3800万トンとした。世界のトウモロコシ消費見通しも2500万トン引き下げ、8億5300万トンとした。
IGCはまた、ロシアの小麦生産高見通しを400万トン引き下げ、4100万トンとした。これは同国が穀物の輸出規制を実施した2010年の生産高を下回る。
さらに、世界の小麦在庫が1700万トン縮小し、4年ぶり低水準の1億8000万トンになるとの見通しを示した。
世界の小麦生産高見通しについては300万トン引き下げ、6億6200万トンとした。
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