[メキシコ市 24日 ロイター] メキシコの人権委員会は24日、同国の刑務所について、全体の6割が受刑者らによる「自治状態」にあるとの報告書を発表した。
同委員会のアンドレス・アギーレ氏は記者会見で、メキシコにある刑務所430カ所の6割が、受刑者や麻薬組織など犯罪関係者に管理されていると述べた。また、刑務所からの受刑者脱走が深刻な問題になっていると指摘。2010年以来、このような事件は14回起き、計521人が脱走。刑務所の職員らが脱走を手助けするケースも頻繁にあるという。
メキシコ北部コアウイラ州ピエドラスネグラスでは今月、130人以上の受刑者が脱走した。当初は地下トンネルを通って脱走した可能性があるとされていたが、その後、刑務所職員の手助けを得て、正門から外に出ていたことが明らかになった。
アギーレ氏はこのほか、刑務所の過密状態も大きな問題となっていると指摘。今年7月現在で同国の刑務所に収容されているのは4万8872人で、収容人数を25%も上回っているという。
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