[ワシントン 29日 ロイター] 世界銀行は29日、四半期報告書「フード・プライス・ウォッチ」の更新版を発表し、世界の食料価格は引き続き安定しているが、2008年の記録的高水準近くにとどまっていると指摘するとともに、高コスト食料という「新たな標準」が生まれつつあり、低所得国の飢餓と栄養失調を助長する恐れがあると警告した。
リポートは、食品禁輸などの「パニック的な政策」が行われなかったことが、7月の価格急騰以降、コモディティー価格の安定に寄与していると指摘。「世界的な食料価格危機は回避されている様子だが、高水準で変動の激しい価格という『新たな標準』が定着しつつあるようだ。世界は、高水準で変動の激しい価格に慣れることも、それに甘んじることもできない」と強調した。
今年は、米国や黒海の穀倉地帯が過去50年余りで最悪の干ばつに見舞われたことを背景に、世界的に小麦とトウモロコシの価格が上昇した。
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