[北京 15日 ロイター] 中国の国営通信新華社は15日、食品安全に関する法律違反を通報する市民らに対し、当局が最大30万人民元(約425万円)を支払う方針だと報じた。中国では相次ぐ規制強化にもかかわらず、食の安全の問題が絶えない。
新華社は、食品と薬品に関する法律違反を発見し、当局に通報した場合、通報者に最大30万元が支払われると報じた。支払いは当局が情報の正確性を確認した後で行われるという。
中国では、レストランの排水溝に流された廃油を集めて製造された調理油や発がん性物質を含む牛乳など、食の安全をめぐるスキャンダルが相次いで報じられている。2008年にはメラミン入りの粉ミルクを飲んだ乳幼児少なくとも6人が死亡し、約30万人が健康被害を訴えるなど大きな社会問題となっていた。
先週には、中国でケンタッキーフライドチキン(KFC)を運営する米ファストフード大手のヤム・ブランズYUM.Nが、中国のKFC店舗で提供される鶏肉製品の安全問題の対応をめぐり、謝罪を表明。この問題は、国営テレビCCTVが12月、一部業者が成長促進のためニワトリに抗生物質やホルモン剤を投与していると報道したことで明るみになった。
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