[ウィーン 29日 ロイター] 国際原子力機関(IAEA)は29日、イランのウラン濃縮地下施設で大規模な爆発があったと伝えた欧米メディアの報道について、そうした形跡は確認していないと明らかにした。イランはこの報道を否定していた。
この問題では、イスラエルと欧米の複数メディアが25日、イラン中部フォルドゥの地下施設で爆発があり、大きな被害が出たと伝えた。この施設は核兵器に転用可能な高濃縮ウランを生成する施設で、イスラエルなどが懸念を強めている。一方、イランは核開発は平和利用が目的だと主張している。
IAEAは、査察官が定期的にイランの核施設を訪問しており、事故があったとされた施設にも報道後に訪れたと指摘。「イランがフォルドゥでの事故発生を否定しているのは承知している。これはわれわれの監視結果と一致する」とし、報道されたような事故はなかったとの見方を示した。
米国も28日、この報道を信用していないとする見解を明らかにしていた。
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