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情報BOX:2013年のTPP交渉における主な検討事項

[ワシントン 11日 ロイター] 米国と他の10カ国は環太平洋経済連携協定(TPP)に関する交渉を、年内までの妥結を目指して進めている。早ければ10月にバリで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議での妥結もあり得る。

3月11日、米国と他の10カ国は環太平洋経済連携協定(TPP)に関する交渉を、年内までの妥結を目指して進めている。主な検討事項を情報BOXでまとめた。写真は2月の日米首脳会談で撮影(2013年 ロイター/Larry Downing)

米国とカナダ、メキシコ、オーストラリア、ニュージーランド、チリ、ペルー、ベトナム、マレーシア、ブルネイ、シンガポールの交渉担当者が今週、シンガポールで16回目の交渉を進めている。

TPP交渉での主な検討事項は以下の通り。

<農業>

米国は国内の乳業、製糖関連団体から輸入品にこれ以上市場を開放しないよう迫られている。米国の酪農家は特に、世界有数の乳製品輸出国であるニュージーランドについて懸念している。

オーストラリアの製糖業者はTPPが米国への輸出を拡大する好機と捉える。2004年に2国間で交わされた自由貿易協定(FTA)の基本合意では、砂糖は例外品目となっていた。

カナダの農家は鶏肉、鶏卵の輸入を制限する自国の供給管理政策の維持を望んでいる。

交渉参加を正式に表明する可能性のある日本は、コメを関税撤廃の例外扱いとするよう求めるとみられ、その他の農産品も例外品目のリストに加わる可能性がある。

<繊維製品、衣服類、靴類>

世界有数の衣料品輸出大国ベトナムは、米国市場へのアクセスを拡大することを期待しているが、既に繊維産業の雇用が1990年の70万人以上から約23万8000人に減少している米国にとっては、厳しい要求となりそうだ。

ベトナム製の衣類に対する米国の関税は、段階的に廃止される見込みだが、本当の交渉は、特定の衣服が関税撤廃品目に該当するかどうかを決める原産地規則をめぐるものに絞られそうだ。

大半の自由貿易協定で、米国は「ヤーン・フォワード・ルール」を適用している。これは、衣服や繊維製品を作る際、中国など協定締結国以外で生産された糸を使ってはならないというルールだ。この規定は、関税が引き下げられた際に米国の繊維産業の雇用を保護する狙いがある。

ベトナムは、中国や韓国といった国々から生地を輸入し、これらを衣服に縫製することを認めるルールにより、米国や他のTPP加盟国に関税なしで輸出することができるようになることを望んでいる。

ベトナムはまた、靴の主要輸出国で、米国で靴に現在11─70%近くの範囲でかけられている関税が段階的に廃止され、原産地規則が緩和されることを期待している。米国では靴の産業は小規模だが、議会では支持する声が大きい。

<SOE>

米国にとって交渉の主眼は、現在は政府の助成や、規制対象からの除外措置、その他の優遇措置を受けているステート・オウンド・エンタープライズ(SOE、国営企業もしくは国有企業)に対するルールを確立することだ。

通信分野など経済の多くのセクターの企業を政府が運営しているベトナムにとっては難しい分野だ。チリはチリ銅公団(コデルコ)を、シンガポールは政府系投資機関であるテマセクとシンガポール政府投資公社(GIC)を抱える。

SOEに対する規定は、中国を視野に練られているとみられる。中国は現在はTPP交渉に参加していないものの、多くの国有企業を有する。

もし日本の交渉参加が正式に決まれば、政府出資が残る日本郵政の改革を迫られることになりそうだ。

<医薬品>

米国は医薬品の特許強化やデータ保護を推進しており、「オックスファム」や「国境なき医師団」といった団体が懸念を示している。

米国の提案はジェネリック医薬品(後発医薬品)の製造を制限し、医薬品価格を貧困層の手が届かない水準に押し上げていると批判する声がある。一方、米国の医薬品メーカーは、製品の研究と開発に費やした莫大な資金を回収するためには強力な保護が必要だと主張している。

<その他の懸念>

著作権保護の期間、金融やその他のサービス分野の企業に対する市場開放の度合い、国境をまたぐ電子情報の取り扱いに関するルール、労働者や環境を貿易絡みの悪影響から守る方法など、他にもさまざまな問題がある。

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