[ニアメー 23日 ロイター] 西アフリカのニジェールで23日、仏原子力大手アレバのウラン鉱山と軍の基地を狙った連続自爆攻撃があった。当局者が発表した。イスラム武装勢力の西アフリカ統一聖戦運動(MUJWA)が、隣国マリに仏軍が軍事介入したことへの報復だとする犯行声明を出した。
ニジェールのマハマドゥ国防相によると、北部アーリットにあるアレバのウラン鉱山では、自動車爆弾により民間人少なくとも14人が負傷し、武装勢力の2人が死亡した。アレバはその後、負傷した社員1人が死亡したと発表した。
当局者によると、この攻撃により鉱山の研削機が激しく損傷したという。同国は仏原子力発電所に供給されるウランのおよそ5分の1を輸出しており、今回事件のあった鉱山が同国最大の規模を誇る。
国防相はまた、アーリットの南に位置するアガデスで、軍基地が自爆攻撃を受け少なくとも20人の兵士が死亡し、16人が負傷したと発表。また武装勢力とみられる3人も死亡した。銃撃戦の末、いったんは平静を取り戻したが、1人が兵士数人を人質にとって兵舎内に立てこもっていることが分かった。
昨年就任したニジェールのイスフ大統領は親欧米路線をとっており、米軍は同国に無人機の基地を置いているほか、マリでの軍事作戦に参加する西アフリカ諸国軍を訓練するため、同国に軍事顧問を派遣している。またニジェール軍は、仏軍が主導するマリでの作戦に、650人の兵員を送るなど主要な役割を果たしている。
仏軍がマリに介入して以来、フランスの海外拠点は度重なる武装勢力の攻撃にさらされてきた。1月にはアルジェリアで、日本人を含む外国人らが犠牲となったガス関連施設の人質事件が発生したほか、2月にはフランス人の家族がカメルーンで誘拐され、先月も在リビア大使館が自動車爆弾による攻撃を受けたばかりだった。
今回の事件は、仏軍が主導するマリでの武装勢力掃討作戦にもかかわらず、依然としてこうした勢力がサハラ砂漠において主要施設を狙った高度な攻撃を仕掛ける能力を保持していることを示す結果となった。
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