[モスクワ 11日 ロイター] - ロシア下院議会(450議席)は11日、未成年に対する「同性愛の宣伝」を禁じる法案を可決した。
法案は「非伝統的な性的関係」を未成年に広めることを禁じたもので、棄権が1人が出たものの反対は出ず、圧倒的多数で可決された。議員の一人は、「伝統的な性的関係とは男女の関係のことであり、ロシア国民の多様な民族性を保護・発展させる上での条件だ」と述べた。
一方で、この法案は同性愛者の権利を訴える全ての集会を禁じることにもなりかねず、この法案を根拠に支持者らが断罪されかねないと指摘する声もある。
議会の外では同性愛者の権利を訴える活動家が、法案に反対して公然とキスをする抗議を行った。これに対し、反同性愛者のデモ隊が卵を投げつけるなどの騒ぎとなり、警察は約20人を逮捕した。
ロシアでは反同性愛に基づく犯罪を示した公的なデータは存在しないが、同性愛者やバイセクシュアル、トランスジェンダー(LGBT)の900人を対象に昨年行った調査によると、約15%が過去10カ月に何らかの身体的暴力を受けたと答えている。
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