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ブラジル全土に広がった抗議デモ、ルセフ大統領と与党を揺るがす

[リオデジャネイロ 20日 ロイター] - ブラジルの過去20年間で最大規模に膨れ上がった市民による抗議デモは20日、政府の譲歩にもかかわらず拡大を続け、リオデジャネイロの中心街では30万人が、ほかの都市でも数万人が抗議行動を繰り広げた。

6月20日、ブラジルの過去20年間で最大規模に膨れ上がった市民による抗議デモは、政府の譲歩にもかかわらず拡大を続けた。サンホセドスカンポスで撮影(2013年 ロイター/Roosevelt Cassio)

ブラジル政府は今回のデモの発端になった公共交通料金の値上げを撤回し、市民へのサービスも向上させると約束した。それでもデモは、サッカー・コンフェデレーションズカップの試合を行っている二つのスタジアム周辺のほか、アマゾナス州の州都マナウス、南部の裕福なフロリアノポリスなどブラジル全土に広がった。

首都ブラジリアでは夕刻に、数万人が議会や最高裁判所、大統領府の周辺に繰り出した。こうした抗議行動の高まりでルセフ大統領は、来週予定していた訪日を中止すると発表した。

2週間目に入った抗議デモの矛先は、高い税率や高インフレ、汚職のほか、病院や学校、道路、警察などの公共サービスの貧弱さに及ぶ。経済発展したブラジルをお披露目する二つの重大イベントの2014年サッカー・ワールドカップと2016年リオデジャネイロ五輪の準備に、政府が260億ドル以上を注ぎ込むことにも、市民の怒りが募っている。

政府が19日に公共交通機関の運賃をめぐって譲歩した後、抗議グループは次の要求を何にするかで意見が分かれた。しかしそうした要求の多様さが、20日の抗議デモへの参加者を膨らませたようだ。

リオデジャネイロのマラカナン・スタジアムでは、観客席でサッカーファンが抗議の歌を合唱し、リオ市街のデモに支持を表明した。同じくコンフェデレーションカップの試合が行われている北東部の都市サルバドールでは、デモの群集と警官隊が衝突し、警官隊は催涙ガスの発射に踏み切った。

ブラジルはほぼ10年にわたる好景気で世界の表舞台に出たが、来年は選挙の年になり、不透明な時期に入る。昨年の経済成長率は1%を下回り、年間インフレ率は6.5%、国際投資家もブラジル資産への意欲を失う中で、ブラジルのバラ色の時代は遠くなってしまった。

市民の抗議デモは、かつては盤石な態勢だったルセフ大統領と与党労働党を揺るがせた。これまで大統領は世界の指導者としては最も高い支持率を誇ってきたが、この数週間はインフレなど経済問題で大統領の支持率は低下している。

デモ参加者はほとんどが非暴力的で、学歴の高い中間層だ。ルセフ大統領の支持層からは外れている。それでも大統領と労働党は彼らの不満を先取りし、彼らを取り込もうとしてきた。ブラジルはこれほど良い時期はなかったと言うだけだった過去とは大きな違いだ。

大統領・州知事選挙まで1年足らずになった今、現職政治家と在来政党は今回の市民デモによって自らの戦略の見直しを迫られている。

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