[セバストポリ/キーラーゴ(米フロリダ州) 9日 ロイター] -緊張が続くウクライナでは、クリミアのセバストポリで、親ロシア派自警団などがウクライナ系住民を襲撃するなど、治安が悪化している。ロシア側がクリミアとウクライナとの境にある検問所を新たに制圧するなど、クリミア全体でロシア側による掌握が続いている。
プーチン大統領は9日、ドイツのメルケル首相や英国のキャメロン首相と電話会談。クリミアの親ロシア派首脳による動きを擁護したのに対し、メルケル首相はクリミア自治共和国のロシア帰属を問う住民投票はウクライナ憲法に違反しているとの見解を示した。
ホワイトハウスは9日、オバマ大統領が12日にホワイトハウスでウクライナ新政権のヤツェニュク首相と会談すると発表した。
ロシア大統領府によると、プーチン大統領はメルケル独首相やキャメロン英首相との電話会談で、クリミア当局による措置は「国際法に基づいておりクリミア住民の正当な利益を保障するもの」と表明した。
これに対してメルケル首相は住民投票は「実施すればウクライナ憲法と国際法に違反する」との見解を表明、ウクライナ問題の解決に向けた「連絡グループ」設置が進展していないのは遺憾で迅速に進めるべきと述べた(ドイツ政府)という。
ホワイトハウスは、オバマ大統領とヤツェニュク首相の12日の会談について、ロシアのクリミア半島への軍事介入を平和的に解決し、ウクライナの主権と領土保全を尊重する策を協議するとしている。
ウクライナ国防省によると、クリミアのサキ近くにある軍事空港が新たに親ロシア派部隊により制圧された。 また、クリミアとウクライナとの境にある検問所をロシア側が制圧。これでロシア部隊が制圧したのは計11カ所となった。クリミア西部イェウパトーリヤにあるウクライナ軍部隊に対し、ロシア部隊が投降を呼びかける最終通告を行ったとの報道もある。
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