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UPDATE2: ソニー<6758.T>が世界で1万6千人超の人員削減、環境急変で投資計画も圧縮

*ソニー側の説明を加えて内容を再構成しました。

 [東京 9日 ロイター] ソニー6758.Tは9日、中核のエレクトロニクス事業における人員削減や製造拠点の集約、投資圧縮などによる収益改善策をまとめた。全世界で16万人に上る同事業の従業員の中から約8000人と、派遣や業務委託など非正規従業員8000人以上を加えた合計1万6000人を超える人員削減を実施することなどで、2010年3月末までに年間1000億円以上の費用削減の実現を目指す。同社は、円高と世界経済の悪化に伴う消費低迷により、09年3月期は利益水準が前年比で半減以下に落ち込む見通し。事業環境の悪化を受けて、人員や投資の削減による「守り」の対策を打ち出した格好だ。

 <国内外で工場5─6カ所削減へ>

 2009年度末までに現在、全世界で57カ所ある製造拠点の約1割、国内を含む5─6カ所について、閉鎖するか他の工場に統合して減らす。09年3月期中に、テープなど記録メディアの生産拠点であるフランスのダックス工場など海外2拠点での生産を終了する。工場の集約に伴い、従業員の再配置を行うが、吸収可能な人数を上回る余剰人員が出るため、10年3月期までに全世界で約8000人の従業員を削減する。工場のほか営業や間接部門の人員削減も進める。人員削減や工場閉鎖をどの国・地域で進めるかについては明らかにしていない。

 <09年度投資計画3割圧縮>

 投資も圧縮する。6月下旬発表の中期計画(08年─10年度)において、エンタテインメント、テレビ、デジタルカメラ用イメージセンサーやリチウムイオン電池などの重点分野で1兆8000億円を投資する予定だった。しかし、09年3月期には、1)携帯電話向けイメージセンサーの増産計画を一部外部に生産委託、2)欧州スロバキアの液晶テレビ組み立て工場での増産投資を延期─による投資の縮小・延期を行う。それに加え、10年3月期のエレクトロニクス事業で中期計画における投資計画額(非公表)に対し約3割削減するとしている。

 <ユーロ圏で一部商品値上げ>

 一連の施策について、ソニーの原直史・コーポレート・エグゼクティブSVPは9日、「世界同時不況と円高で未曾有(みぞう)の逆境を乗り越えるには、事業の選択と集中をさらに進めること、効率化、固定費の削減、収益改善策を迅速に進めることが要求されている」と説明した。特に対ユーロでの円高が収益を圧迫しているため、年明けから 一部商品で値上げを実施するという。対象商品などは「各マーケットで判断する」(原SVP)としている。

 ソニーはシャープ6753.Tと共に、シャープが堺市で進める液晶パネル工場について両社が共同出資会社を設立して運営する計画を2月末に発表。出資比率はシャープ66%、ソニー34%の予定で9月末に契約を目指すとしていたが、まだ締結には至っていない。共同出資会社については「設立の方向は変わらないが、内容については両社が協議している」(同)としている。

 工場閉鎖や人員削減に伴い費用が発生するが、09年3月期業績に与える影響については、来年1月の08年10─12月期業績発表時に説明する。10月時点の発表では、09年3月期の営業利益が前年比57.9%減の2000億円、当期利益が同59.4%減の1500億円を見込んでいる。

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 (ロイター日本語ニュース、浜田 健太郎記者)

 ※(kentaro.hamada@thomsonreuters.com;03-6441-1819;ロイターメッセージング:kentaro.hamada.reuters.com@reuters.net)

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