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再送:〔情報BOX〕タイの洪水による被害企業一覧(24日午後8時現在)

*1段落目の語句を修正して再送しました。

 [東京 24日 ロイター] タイの記録的な洪水により、日系企業の現地生産への影響が広がっている。日系企業が多数進出するアユタヤ県では、工業団地が冠水するなど被害が大きく、ホンダ7267.Tなど多くの工場が操業停止に追い込まれている。トヨタ自動車は7203.Tは24─28日まで国内4つの車両工場で残業を取り止めるなど、日本での生産にも影響が出始めている。

◎24日午後8時現在

 ・トヨタ自動車7203.T:タイの洪水の影響で部品調達に影響が及ぶ可能性があるため、24─28日まで愛知県の4つの車両工場で稼働時間を調整する。4工場では上期の生産遅れ分を挽回するため残業を行ってきたが、残業を取りやめて定時操業とする。29日以降の稼働については状況をみながら判断する。24─28日に残業を行わないことで計6000台の減産となる。

 同社は洪水の影響で部品供給が滞り、10日からタイ3工場の生産を全面停止している。21日までの減産台数は3万7500台。24日からはインドネシア、フィリピン、ベトナムの各工場で稼働日数や生産シフトを減らすなど、タイ以外の工場でも生産調整を始めた。

 ・ホンダ7267.T:アユタヤ県ロジャナ工業団地にある四輪車工場は、取引先からの部品供給停止で10月4日から8日まで生産を休止した。8日には工場敷地内も浸水し、工場内への立ち入りができなくなっており、生産再開のメドは立っていない。

 一方、二輪車工場は10月11日に治水対策のため操業を休止。12日以降も部品供給停止のため、生産を休止している。21日から完成車の生産を再開する予定だったが、従業員の安全を確保するため生産再開を延期した。当面29日まで生産停止は続ける。 

 ・アデランス8170.T:アユタヤ県の工業団地内への浸水を7日に確認し、かつらベースや人口毛髪を生産する連結子会社の操業を停止している。ほかのタイでの生産会社への被害はない。受注する製品は、タイ国内の他の拠点やフィリピンなどで生産し対応する。

 ・荏原ユージライト4975.T:チョンブリ県の連結子会社に直接被害はない。今後の現地交通網の寸断などで業務継続が困難になることも予想されるが、業績への影響は軽微の見込みとしている。

 ・朝日インテック7747.OS:タイ工場では12日から創業を停止している。24日には敷地内に浸水が広がり、建屋内部にも浸水を確認。操業開始時期は現時点で未定だが、タイ工場のメディカル事業の完成品在庫はハノイ工場などへの輸送を完了し、グループ工場で代替生産することで当面の供給は一部を除き可能と見ている。

 ・アーク7873.OS:従業員の安全確保のため12日から操業停止。20日夜に工業団地内で浸水が始まり、タイアークのすべての建物で1階部分が浸水被害を受けている。

 ◎21日午後8時現在

 ・パイオニア6773.T:ロジャナ工業団地内の2工場で10月8日から操業を停止している。それぞれカーオーディオ、カーステレオなどを手がけており、建物の1階部分に浸水している。操業再開の時期は未定だが、暫定的に同23日まで臨時休業することを決めた。中国、マレーシア、日本のグループ工場での代替生産などの対応策を決め、実行にとりかかっている。

 ・日本電産6594.OS:6工場が操業停止中。いずれもハードディスクドライブ(HDD)用モーター関連で、タイ日本電産のランシット工場(パトンタニ県)が13日以降、稼働を停止している。浸水被害はないが、周辺の道路が冠水している。現在、再開に向けた準備を進めている。バンガディ工場(同)も12日に稼働を停止。工場内に一部浸水している。ロジャーナ工場(アユタヤ県)は工場内への浸水により、10日に操業を停止した。モーター部品工場も3工場が稼働停止中。日本電産の世界全体のHDD用モーターの生産量のうち、タイ拠点が占める割合は非公表。ただ、中国、フィリピンにも生産拠点があるため、状況を見極めながら、代替生産などの対応を検討する考え。

 また、バンガディ工業団地で家電用モータを生産する日本電産シバウラエレクトロニクス・タイランドや、ナワナコン工業団地(パトンタニ県)でカメラ用シャッタなどを生産する日本電産コパル・タイランドも工場内浸水で操業を停止中。

 ・HOYA7741.T:ハイテク工業団地にあるHOYAレンズタイランドのアユタヤ工場は、浸水しており、12日から操業を停止している。メガネレンズの特注製品を製造している工場で、生産量は公表していない。メガネレンズの一般製品を量産するパトゥムタニ工場は浸水はないが、社員の安全を考慮し、21日夕から操業を一時停止する予定。今後の水位状況を判断し、安全が確認された場合は速やかに操業を再開する。

 ・スタンレー電気6923.T:パトゥムタニ県で半導体・超小形電球・光電機器製品を製造・販売するエイシアンスタンレーと自動車照明製品・自動車電球・金型を製造・販売するタイスタンレーの両拠点を21日付で一時閉鎖した。現地に両拠点の合同BCP本部を設置し、対応している。

 ・曙ブレーキ工業7238.T:チョンブリ県アマタナコン工業団地で自動車用ディスクブレーキなどを製造・販売するアケボノブレーキタイランドは、浸水の被害はないが、納入先の完成車メーカーの操業停止に合わせ12日から操業を停止している。操業再開は未定。

 ◎19日午後6時現在

 ・日産自動車7201.T:10月19日までとしていたタイの四輪車工場の生産停止を同28日まで延長する。タイ工場は小型車「マーチ」などを生産しており、2010年度の生産実績は20万4434台。10月14日まで一部生産を継続していたが、週明け17日から部品不足で操業を見合わせていた。

 ・ミネベア6479.T:ロジャナ工業団地のダイキャスト部品工場が浸水し、7日から操業停止中。工業団地閉鎖のため詳細は未確認で、復旧の時期は未定。外部からの購入量拡大に向け手配をしている。

 アユタヤ県でボールベアリングを生産するアユタヤ工場は停電と断水で7日から操業を停止しているものの、25日からの生産再開に向けて準備中。ミネベアは世界で月産2億─2億1000万個のボールベアリングを生産しているが、同工場が生産量で最大。

 ボールべアリングや機械加工品などのバンパイン工場(アユタヤ県)は従業員の安全確保のため15日から操業を停止してきたが、20日から生産を再開する計画。

 小型モーター部品のナワナコン工場は、人的・物的被害はないが、危険地域に指定されたため、14日午後から操業を停止中。

 ・ケーヒン7251.T:ロジャナ工業団地にあるケーヒンオートパーツ(タイランド)が8日から工場の操業を停止している。現地点で再開のめどが立たない状況。二輪車・汎用製品は日本とインドネシアの工場で代替生産し供給体制を確立。四輪車用製品についても日本や中国などの拠点で補完生産の準備を整えた。

 ・クボタ6326.T:耕運機などを生産するナワナコン事業所(パトゥムタニ県)で18日午後、建屋・設備への浸水を確認。生産停止は11日から続き、再開時期は未定。トラクターなどを製造するアマタナコン事業所(チョンブリ県)の操業を17日以降、停止している。浸水被害はなかったが、洪水で一部サプライヤーからの部品調達が困難になったため。再開時期は未定。同事業所のトラクターの年産能力は2万─2万5000台。業績への影響は現時点では不透明だが、重大な影響が見込まれる場合は速やかに開示。現時点では日本国内の生産への影響は発生しない見込み。

 ・フジクラ5803.T:折り曲げ可能なフレキシブルプリント基板(FPC)などを生産するナワナコン工場(パトゥムタニ県)では、予防的に操業を停止していたが、工場への浸水が確認され、操業停止を継続している。タイの6工場が操業停止中で、操業中に2工場でもサプライチェーンの乱れで業務に支障がでる恐れがある。業績に大きな影響を与える可能性があり、詳細が判明次第、速やかに開示するとしている。

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