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[ロンドン 3日 ロイター] 米資産運用会社オスプレー・マネジメントによる旗艦ヘッジファンドの閉鎖は、今後、同種のファンドの閉鎖が続く可能性を示唆するものだ。
商品相場の下落と金融関連株の急伸は、非流動性ポジションを持つファンドを窮地に陥れている。
5年間続いた商品相場の高騰は、投資機会を探っていた投資家の資産と多くのヘッジファンドを勢い付かせた。
しかし、経済成長ペースの減速に伴い資源需要の減少懸念が強まるなか、商品相場とエネルギー価格が下落に転じ、多くのファンドマネジャーは相当の打撃を被った。
投資家は可能な限り早期の資金の引き揚げを模索しており、非流動性ポジションを保有するマネジャーらは多大な困難に直面している。
あるファンド・オブ・ヘッジファンドのマネジャーは「さらなる困難に見舞われるだろう」とし、「非流動性ポジションを持つヘッジファンドは、四半期の償還が問題だ」と述べた。
オスプレーは2日、資産の20%は非流動性であり、投資家に分配するまで最長3年を要する可能性があると述べた。
RABキャピタルRAB.Lのヘッジファンド、RABスペシャル・シチュエーションズRSS.Lは、すでにパフォーマンスに問題があらわれている。このファンドの投資対象である小型資源株は、大型株に比べて売却が難しい。
同ファンドの価値は年初から8月21日までに38.1%下落した。
商品相場の下落が中長期的なものになれば、問題は深刻化する公算が大きい。
スタンダード&プアーズ(S&P)ファンド・サービシズのファンド調査ディレクター、ランダル・ゴールドスミス氏は「前年下期は一方向への賭けだった」とし、「商品相場は現在、急速に修正している。これにより、相当なダメージが及ぶ可能性がある」と述べた。
その上で「商品にまとまったポジションを持つヘッジファンドが存在する。実際に弱気相場になれば、多くのヘッジファンドが困難に陥るだろう」と述べた。
とりわけ、商品相場の上昇と金融関連株の下落の双方に賭けていたヘッジファンドのダメージは大きい。
この数年間、大幅に上昇していたFTSEの鉱山株指数.FTASX1770は6月末から9月1日までに21.7%下落した。一方、銀行株指数.FTASX8350は投資家の安値拾いが入り、12.4%上昇している。
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(Laurence Fletcher記者;翻訳 山口 肇) ※(hajime.yamaguchi@thomsonreuters.com; 03-6441-1779; ロイターメッセージング:hajime.yamaguchi.reuters.com@reuters.net)