[19日 ロイター] - 関係者によると、米ヤフーYHOO.Oが計画する中核事業の売却をめぐり、1次入札に参加した米通信大手ベライゾン・コミュニケーションズVZ.Nが2次入札に進む見通し。
関係者が19日明らかにしたところによると、ヤフーは現在、買い手候補を絞り込むため、1次入札期限の18日までに提出された買収提案を精査中で、ベライゾンは買い手候補の中に残っているもよう。
ベライゾンは、グッゲンハイム・パートナーズやライオンツリー、アレン・アンド・カンパニーなど投資銀行の助言を得て買収提案を提出したという。
2次入札には他の事業会社やプライベートエクイティ(PE)も進むとみられている。
関係者によると、1次入札には、楽天4755.Tや旧イエローページズ・ドット・コムのデジタル公告部門である米YPホールディングスなどさまざまな企業が関心を示した。楽天の広報担当者は、最終的に入札への参加を見送ったことを明らかにした。
PEでは、エイパックス・パートナーズ、TPGキャピタル、ベイン・キャピタル、アポロ・グローバル・マネジメントAPO.N、ウォーバーグ・ピンカスなどが1次入札に参加したという。
関係者は、2次入札ではPE同士がチームを組むことが認められる可能性があると語った。
米ケーブルテレビ・高速インターネット大手コムキャストCMCSA.Oと米タイム誌を発行するタイムTIME.Nは1次入札への不参加を決めたもよう。
ヤフーは6月までの売却入札完了を目指しているが、確実ではないと関係者はみる。
ヤフー・ジャパン4689.T株を43%保有するソフトバンクグループ9984.Tと、米ヤフーが15.5%出資する中国電子商取引大手アリババ・グループ・ホールディングBABA.Nは今回の入札に参加していない。
ヤフー、ベライゾン、YP、コムキャスト、タイム、PE各社はコメントを拒否。ソフトバンク、アリババ、グッゲンハイム、ライオンツリ―、アレン・アンド・カンパニーはコメントの求めに応じていない。
ヤフーは2月、物言う株主の圧力で中核事業の売却計画に着手。その前にアリババのスピンオフ(分離・独立)を検討したが、実現できなかった。
アナリストは、昨年AOLを44億ドルで買収したベライゾンをヤフー中核事業の有力な買い手候補とみている。
ヤフーのメイヤー最高経営責任者(CEO)は19日の第1・四半期決算発表後の電話会見で、「過去2カ月間、ヤフー経営陣は中核事業の取得に関心のある人々と直接あるいは電話で話し合ってきた。この中には業界でよく知られた人物も含まれる」と語った。
*内容を追加します。
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