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焦点:日銀指値オペ、長期金利ゼロ%死守の構え 米国圧力懸念の払拭も
February 3, 2017 / 8:06 AM / in 10 months

焦点:日銀指値オペ、長期金利ゼロ%死守の構え 米国圧力懸念の払拭も

[東京 3日 ロイター] - 日銀は3日、急激な金利上昇を止めるため、特定の年限の国債買い入れを増やす「指値オペ」を実施した。トランプ米大統領による円安誘導批判を受け、日銀が長期金利を押し下げるようなオペは難しくなるとの思惑が浮上。長期金利は3日、一時、0.15%を超えて上昇した。日銀は、指し値オペの実行によってゼロ%に抑える政策に変化がないことを明確にし、圧力を意識した市場に「強い意思」を示した格好だ。

 2月3日、日銀は急激な金利上昇を止めるため、特定の年限の国債買い入れを増やす「指値オペ」を実施した。写真は都内で昨年3月撮影(2017年 ロイター/Yuya Shino)

指値オペの実施は現在の金融政策「長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)」を開始した2016年9月以来、2度目となる。

YCCは、短期金利(翌日物)をマイナス0.1%、長期金利(10年国債利回りJP10YTN=JBTC)はゼロ%程度にするよう国債買い入れを進める政策。YCCの導入と同時に指値オペの導入も決めたが、長期金利がどの程度ゼロ%からかい離すれば実施するのか日銀は明示していないため、市場では様々な思惑が交錯してきた。

日銀は現在、目標としている長短金利の水準を変更しない限り、国債の買い入れ量を増減させても政策は維持されているとの立場を表明している。

今年1月には、国債買い入れの回数を従来よりも削減。月間の国債買い入れ額が従来の9兆円から8兆円強に減少したため、そのままのペースが続けば、年間の買い入れ額は70兆円前後に減少する計算になる。

こうした中で、足元の円債市場では「マイナス金利導入前の(長期金利0.2%台)水準までの金利上昇を、日銀は放置するのではないか」「長期金利目標をゼロ%以上に引き上げるかもしれない」(大手証券)との観測が飛び交っていた。

さらに1月31日、トランプ大統領の異例の発言が伝わった。「中国や日本が市場で何年も通貨安誘導を繰り広げ、米国はばかをみている」「他国は資金供給と通貨安誘導で有利な立場にある」との発言だ。

日銀の金融政策への批判と解釈し得るため、市場では「日銀は円安誘導と解釈されかねない指値オペなどに踏み込まない」(大手証券)などの見方も出ていた。

その中で日銀は3日、指値オペに踏み切った。日銀金融市場局は「長期金利が急激に上昇していることを踏まえた」「10年物操作目標をゼロ%とする調節方針をしっかりと実現する」とコメントした。

このコメントの背景には、現在のYCCを着実に実行することで過度な金利上昇を抑制し、2%の物価目標へとより近づくことが日銀の使命であるとの「強い意思」がうかがえる。日本がデフレ脱却を実現すれば、それは米国からの輸入増にもつながり、米国経済にもプラスになるとの見方もありそうだ。

今回の指し値オペによって、日銀は、誰がみてもゼロ%程度とはいえない水準への急激な金利上昇を阻止する構えであることを強く印象づけたと言える。結果として現時点で0.15%程度が許容できる上限との認識が、市場に伝わることを意識したとみられる。

竹本能文 編集:田巻一彦

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